秋のジョギングは快走。都議員には東京マラソンの参加者枠があるの?
彼岸が過ぎた。最高気温は猛暑のピークに比べても、10度近くも一気に下がた。市民ランナーにとっては練習量が増える、快い走りができる季節だ。
一級河川・中川の土手には、彩の花が咲きはじめた。真っ赤な彼岸花が左岸の土手にずいぶんと目立つ。昨年は数輪ていどだった。ことしは群生している。繁殖力の強い植物なのだろう。
秋の虫たちはそれぞれの楽器を奏でる。耳にも心地よい。川面をなでてくる秋風が、汗ばむ肌に優しい。とくに、川沿いの夕暮れは情緒ある。
ふだんはジョギングの速さで、中川の奥戸橋と平和橋を回るコース(3.5キロ)を3周する。10キロがふだんの練習量だ。一週間に3、4回と不本意な回数だ。そのうえ、最近はロング走にすっかりご無沙汰だ。
走りたい気持ちは十二分にあるが、時間が割けないのが実態だ。強引に時間を割くには、フルマラソンの大会にエントリーすることだ。
09年東京マラソンには、今年も申し込んだ。過去には2度も外れている。フルマラソンの部は、定員3万人に対して、申込者数 22万6378人だ。7.5倍だ。くじ運は悪いほうだし、当選の予感すらない。気力はいま一つ乗らない。
2007年は定員2万5000人に対して、申込者数は 77,521人で、3.1倍
2008年は定員2万5000人に対して、申込者数は13万0062人で、5.2倍
ネットで出場を申し込んだ折、主催者のアンケートがあった。「申込み回数(抽選外れ)を優先するべきか」という趣旨のものだ。巷には選考にたいする不公平感が漂いはじめている。それらを意識しているな、と類推できた。
主催者は「厳正なる抽選にて参加者を決定します」と明記している。
数日まえ、「一昨年、昨年と、都議会議員に東京マラソンの出場を依頼したら、かんたんに出場権が得られた」という情報提供があった。教えてくれたのは一般都民で、「都はずいぶん汚いことをする。TV局はタレントを走らせている。あれだってきっと抽選じゃない。どんな裏があるか判らない。東京都の役人には公平さがない」と憤っていた。
競争率が高いと、陰では不透明な醜い力がはたらくのが世の常だ。東京マラソンもそうだったのか、という思いだ。ほんとうに厳正なる抽選のみの参加者決定なのか。都議会議員は東京マラソンの枠を持っているのではないか? そんな疑問を東京都・広報に聞いてみたいものだ。
大会協力の月刊誌『L』の編集部員たちと都職員との間で、軋轢(あつれき)が生じているとも聞く。同大会の醜聞がいつか世に露呈する日がくるかもしれない。
秋風の夕暮れは早い。景色の変化、情感が一周ごとにちがってくる。『東京下町の情緒100景』が終わり、中川周辺で撮影する機会が少なくなった。久しぶりに、デジカメをもって走ってきた。秋分(しゅうぶん)の快走と、都の醜聞(しゅうぶん)とが頭から離れなかった。