A075-ランナー

マイ・ランニングロード (情景は走るエネルギー02)

 川の水位は東京湾の満ち干きが反映される。川の表情がその都度違ってくる。干潮のときは川底の瀬が露出する。鵜とか、白鳥、白鷺と思われる水鳥が集まる。ヘドロのなかのゴカイとか、虫とかを啄(つい)ばんでいる。

 満潮時には最も威張っているのが、群れるかもめたちだ。  
 かもめは獰猛な性格だから、ほかの水鳥は遠慮がちだ。鴎は風向きによって一列に顔を同じ方向に向けている。護岸の堤防に止まっている。

 奥戸橋から覗き込むと、約100センチの鯉が泳いでいる。目測で、50匹くらいだろうか。こんな天然の鯉が泳ぐさまは豪快だ。鯉は水位に関係なく集まる。昨年度までは、鯉にパンくずを与える人がいた。鯉はそれに集まってきた。
 
 散ったパンくずが鳩の餌になり、橋の袂や欄干に群がるようになった。住民から鳩害になると苦情が来たようだ。最近は鯉に餌をやるひとを見かけなくなった。淋しい気もする。

 ときにはかもめ、死んで川面に浮き上がった大きな鯉を嘴(くちばし)でつついている。複雑な気持ちにさせられる。

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