日本海側は大雪に見舞われている。一般にいう雪国の、積雪量は1メートルをはるかに超えている。
太平洋側も寒波の影響から、春の花がまだ開花していない。各地で「梅祭り」がスタートしたが、肝心の梅はほとんど咲いていない。
春の匂いは、湘南の海辺にあるかもしれない、と七里ヶ浜の海岸にやってきた。
20代の溌剌とした女性たちが砂浜を散策している。彼女たちは若さを海辺まで運んできてくれている。それだけでも、たっぷり春を感じることができた。
鎌倉から江ノ電に乗って、七里ヶ浜駅までくると、駅から海岸までわずか1、2分の距離にある。磯の香りをかぎながら、海岸に降りていく。
江の島が近景にあり、多少は雲をかぶっているが遠景に富士山がそびえる。
海岸には、藻の匂いが鼻孔を刺激する。漂流物には牡蠣(かき)殻がついている。このブイはどこから流れてきたものだろうか。
みるからに漁師が使う漁具だ。もしかしたら三陸あるいは宮城あたりか。3.11の大津波の後に流れ着いたものかもしれない。
あながち外れてはいないかもしれない。牡蠣は三陸の特産品だから。
制服姿の修学旅行生が目立つ。グルーブ5-8人ほどでやってくる。
昭和時代の修学旅行といえば、教師の引率のもと、観光バスで規律正しく見学だった。それも、社寺仏閣がやたら多かった。
平成の修学旅行は、グループで見学場所が選べる。自主性尊重の良い学校風土ができたものだと思う。
シーズンはかつて春か、秋と相場が決まっていた。旅シーズンで、交通機関も混雑する。いまや冬場でも、修学旅行は行われている。合理的だと思う。
太陽がぎらぎら輝く。春を感じさせてくれる、強い日差しだ。海面に反射し、まぶしくも、心のなかには高揚感が広がってくる。
海と太陽は人間の最大のエネルギー源だ。人類誕生の源でもあるのだから、理屈抜きで、神々として崇拝する人は多い。
東京都内から、時折見える富士山は小粒である。それでも、富士が見える日は空気の澄んだ、快適な日だ、という感慨がある。それは日本人だからだろう。
湘南の富士山は大きいな、見事だな、と思わず見入ってしまう。
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