のこぎりキング下田&くれなゐ楽団・コンサートに陶酔=東京・足立区
のこぎりキング下田(本名・下田尚保さん)は、世界一巨大なノコギリ楽器をあつかう。
若き頃は早稲田大学応援団吹奏楽部に所属し、現在は東京都公認ヘブンアーティストとして、国内外で活躍中である。
2018年8月19日(日)午後2時から、足立区・梅田の会場「エル・ソフィア」で、「くれなゐ楽団」(団長・菊地慶太)と共演された。
後援は足立区・足立区教育委員会。老友新聞社、天文郷芸術文化財団、ほか。
くれなゐ楽団は、箏は酒井悦子、和太鼓・関根まこと、尺八・大賀□司、尺八・豊嶋貞雄、キーボード・菊地慶太である。
菊地慶太の編曲による斬新な、意欲的な楽団である。昭和歌謡、童謡唱歌、そしてラテンなど幅広いジャンルが、親しみ深くアレンジされている。
下田がくれなゐ楽団を紹介する。
舞台の「くれなゐ楽団」は、一流プロ集団の音楽家たちで編成されています。この素晴らしいメンバーにして、なんと「無料」です。おどろきです、と語った。
足立区・梅田の会場「エル・ソフィア」は、大勢の観客で埋めつくされていた。
菊池慶太(作詞・作曲家)が、観客のこころへの響きを重視し、幅広い世代が楽しめる選曲・編曲がなされていた。
聴き手の身体がごく自然とリズミカルに動いて、手拍子が多い。
舞台の下田は観客にむかって、「私が生まれ育ったのが足立区梅田です。梅島小学校(ことし2018年で、創立130年)から、足立9中(昨2017年に創立70周年)を卒業しました」と経歴の一端を紹介し、『故郷を錦を飾る』ことができました、と感慨無量の表情で語った。
箏奏者&伝統芸能コーディネーターの酒井悦子は、サミット日本開催があれば、大統領・首相に琴を奏でて聴かせる。
弦鳴楽器のハープは、曲線状になった見た目にも美しい楽器である。共鳴胴の両端に2本の棹を立てる。
菊地慶太は弓を使わず、指先ではじいてすてきな音をだす。
下田の演目は、日本の四季メドレー、ゲゲゲの鬼太郎、夜来香、故郷、浜辺の歌、ベートーベン交響曲第5番、海ゆかば、ほか。
尺八奏者の大賀悠司。尺八を吹いているときの顔は、真剣そのもの。吹きおわると素敵な笑顔になる。
会場の大兼茂子さん(足立フレンドリーマラソン・大会会長、1964年東京オリンピック・五輪聖火ランナー『柳原郵便局→旧区役所』)から話を聞くことができた。
「下田さんのノコギリコンサートは折々に、聴きに来ています。そのときに購入した数枚のCDはとても心を癒されます」と語った。
くれなゐ楽団の琴はとても魅力的です。
「私の友人が尺八の演奏会に出演しています。尺八は聴き慣れていますが、こんかいの尺八は素晴らしい。2部合奏は高い音、低い音の組み合わせは見事です」と絶賛されていた。
「ハープの演奏、キーボードと一人二役で演奏される方は多彩ですね(菊地慶太)」と話されていた。
おしゃれな司会役は、酒井悦子である。
会場の観客らは、ともに懐かしい唱歌を歌い、愉しんでいる。ブロ音楽家の出演者たちと会場の聴衆とが、一つになれる快い空気感を味わっていた。
関根まことの和太鼓は、豪快な撥さばきである。
「ノコギリ音楽は金持ちにできない楽器です。なぜならば、ビブラートは貧乏ゆすりで音をだしますから」と観客を沸かせてから、だれもが郷愁を感じる、
1月「一月一日」、2月「早春賦」、3月「花」、4月「春の小川」、5月「鯉のぼり」、6月「雨降りお月さん」、7月「たなばたさま」、8月「われは海の子」、9月「赤とんぼ」、10月「旅愁」、11月「紅葉」、12月「たき火」
下田の母校・足立9中の長塚琢磨校長が、おおきな拍手喝さいを送っていた。お話を聞いてみた。
「ノコギリ音楽はふだん聴き慣れない音楽です。くれなゐ楽団と共演された日本の伝統文化にふれて感動いたしました。とてもあたかい雰囲気で、町会長を含めた地域の方々が一体感になれたと思います。心地よい時間を過ごせました」と話された。
若き尺八奏者 豊嶋貞雄は東京藝術大学・邦楽科卒業である。好男子の尺八は、日本人を魅了させる。
多忙なプロアーチストはとかくブッツケ本番が多い。当日のリハーサル前に、3回はみっちりとリハーサルをこなして臨む。
本番でも、下田はくれなゐ楽団とはさりげなく呼吸を図り、のこぎり楽器でメロディーを奏でる。
リーダーの菊地慶太は、いつしかハープからキーボードに変わっている。
伝統和楽器によるノンストップ90分の演奏です。エンディングは愉快なパフォーマンスで、観客を愉しませる。