第57回東京阿波おどり・高円寺=写真でともに踊ろう
2013年8月25日(日)は朝から大雨だった。今年も観られないのかな、という想いを描いていた。5、6年前も、雨で断念したことがあるから、なおさらだった。
午後から雨が上がってくれた。
JR高円寺駅に着いたのが午後3時前で、阿波踊りは夕方5-8時だと知った。
そこでアーケード商店街のなかで喫茶室を見つけて、気になっている時代小説を読んで過ごしていた。
時おり、鉦と太鼓の音がひびく。
喫茶店のまえが、阿波踊りが通る演舞場だった。
観客がやけに少ないな、と思うと、商店街のなかはすでに入場制限がかかっていた。
ということは、喫茶店で2時間余りも、場所取りをしていたことになる。
幸運だった。
最前列に陣取った観客たちは、団扇や扇子で、踊り手たちを仰ぐ。リズムに乗り、全身を動かす。
写真撮りは目障りだった。むろん、苦情など言えるはずがない。
踊り手たちは、リズムに乗り、大声を出して踊る。
この日ばかりはすべてを忘れ、「踊らにゃ、損そん」とエネルギーを発散させている。
「女踊り」は優雅で、上品だ。うっとりさせられてしまう。
子どもたちも懸命に踊る。次世代がこれほどまでに阿波踊りにのめりこめる。
いま現在は57回だが、さらに発展するだろう。
法被姿の粋な御姐さん。どこか、江戸っ子だよ、と言いたげだ。
徳島の阿波踊りが江戸・東京によくなじんだものだ。
「女踊り」には集団の美しさがある。
女の子らも内股で、つま先立ちして、色艶すら感じさせる。
「ひよこ連」とはなるほどな。
保育園、幼稚園児たちも加わっているようだ。
踊りが上手くなくても、愛らしさで魅せている。
中国の演武団がやって来たのか。
そんな雰囲気の仮装もあった。
阿波踊りも進化しているのだろう。
地方のドサ回りの役者たちが飛び入り参加か。
そんなストーリーが描ける仮装もある。
女性の「男踊り」はダイナミックで、迫力がある。
観客らも思わず踊りたくなる雰囲気をかもし出す。
編み笠を被り、横笛を吹く。
古式豊かな日本の伝統美がある。
鉦と太鼓は、阿波踊りを盛り立てる。
踊るテンポを変えさせるなど、花形だ。
掛け声をかけて、踊りまわる。
女性も体力勝負だ。
どこの世界でも、ユーモラスな笑をとる人はいるものだ。
見てもらい、笑ってもらい、悦に入れる。
ふだんは無口で難しい顔して仕事しているかもね。
いつもの顔を棄てられるのが、阿波踊りの特徴なのだ。
大太鼓をたたきながら、笑顔、笑顔の連続だ。
「重いだろうに、疲れるだろうに」
それでも笑っていられる人は、心から明るい人だろう。
子どもらも、団扇を持って、華やかに手踊りを見せる
目の前で、笑顔で踊ってくれる。
踊り手のいろいろな表情が楽しめる。
「男踊り」は豪快で、深く腰を落とした姿で、2拍子で踊る。
来年も、優雅な姿を見せてほしい。