A025-カメラマン

初夏の三崎港、城ケ島を訪ねる(1)=写真散策シリーズ


 宮城県・気仙沼市に取材で出かけると、マグロ漁船の話題に及び、たびたび静岡県・焼津港、神奈川県・三崎の漁業基地が引き合いに出される。
 そこで、三崎港を訪ねてみた。

 三崎港の対岸は有名な城ケ島である。渡船が出ている。


 港は整備されており、観光客にも対応できる、案内所の施設がある。
 「マグロ丼を食べたいのですが……」
 リーズナブルな価格の店が紹介してもらえる。


 街を歩くと、港町特有の雰囲気と、魚臭いと海の匂いが鼻孔をつく。

 被災地・気仙沼をつぶさに取材しているだけに、東海沖大地震による大津波が来れば、この三崎港も海岸線はかなり被害を受けるのだろうな、そんな目で見てしまう。


 神奈川県・三崎港はマグロの水揚げが、全国でもトップクラスである。
 マグロ料理の店が、魚市場周辺に数多く軒を並べている。


 船のキャビンで、船員が日向ぼっこをしている。夏を感じさせられた。


大型マグロ漁船のみならず、近海漁業の漁船がひっきりなしに入航してくる。


 家屋も、漁船も、ていねいに並ぶ。幾何学的な光景である。

 もし大津波に襲われたら、どんな避難を考えているのだろう。3.11の被害地と重ねあわせると、なにかしら無防備な感じがしてしまう。

 地形的に城ケ島が防波堤の役目を果たすのだろうか。気仙沼大島がそうだったように……。


 三崎港から城ケ島大橋を渡る。途中まで金網メッシュだから、撮影はほんのわずかな隙間から狙うことになる。
 橋の下には観光船が行きかう。


 城ケ島大橋の中央に近づくと、メッシュがなくなり、眼下が見渡せる。

 三崎港の埠頭には釣り人たちの姿が大勢みられる。

 この水道では、いまの季節は「シロギス」が釣れるようだ。


 橋の上から、城ケ島の海岸をのぞき見る。海底が浮き上がってくる。

 なにかしら奄美諸島や沖縄の海を連想してしまう。


 城ケ島に渡ると、子どもたちを連れた家族が、白秋の碑の側で、楽しそうなひと時を過ごしていた。


 城ケ島の海は穏やかで、白砂が太陽に輝いている。



 県立城ケ島公園は、荒々しい太平洋側がみられる景勝地である。


 展望台から、奇岩の多い海岸へと散策路がある。
 
 標高差がさほどないので、手軽に波打ち際まで歩み寄れる。
 



 海辺には風がないけれど、荒波がはるか彼方から押し寄せ、磯でくり返し打ち砕ける。

 飛沫(しぶき)が飛び散る。

 潮騒がからだ全体にひびく。

「カメラマン」トップへ戻る

ジャーナリスト
小説家
カメラマン
登山家
「幕末藝州広島藩研究会」広報室だより
歴史の旅・真実とロマンをもとめて
元気100教室 エッセイ・オピニオン
寄稿・みんなの作品
かつしかPPクラブ
インフォメーション
フクシマ(小説)・浜通り取材ノート
3.11(小説)取材ノート
東京下町の情緒100景
TOKYO美人と、東京100ストーリー
ランナー
リンク集