夕暮れの都庁・北展望台は美しき無料空間=写真散策シリーズ
東京スカイツリーが大人気だが、展望台の料金は庶民的ではない。
無料で、高層からの美景が楽しめるところがある。それは東京都庁の展望台だ。
若者に人気のグッズ売店がある。見るだけならば、むろんノーチャージだ。
無料となれば、外国人は見逃すはずがない。都庁の展望台は国際色が豊かだ。
夕方5時までならば、南展望台も行けるよ。
会社帰りのサラ―リーマンは悧巧だから、ここで夕日を眺めて、1日の疲れを取ってから帰宅する。
展望台のなかは、どこも飽きるところなどない。
待望の夕焼雲のショーが始まる。
ギリシア風の円形柱が美の空間を作り出している。
大都心・新宿の高層ビル群が夕焼色に染まっていく。
展望台の、どの角度から撮っても、申し分ない光景だ。
景色よりも、お土産のほうがいい。それも考え方一つ。
スマホで撮って、だれに送るのかな。それとも、壁紙に使うのかな。
どうせ高層の美観を愉しむならば、カップルできたほうがムードがあって好い。デート代も安上がりで、恋が語れる。
大都市・東京の西の町が夕暮れに沈んでいく。
わずかなベンチで、無理して座らず、夕焼を楽しめばよいのに……。
展望のない柱の影すら、好む人たちがいる。
カップルは夕焼の町並みよりも、相手の心をのぞきたいのかな。
年配者たちは安らぎの場所なのか、それとも気力喪失なのか、ひたすら椅子を温めている。
太陽が2つに見える、めずらしい現象に出合えた。
夕暮れの景色と、夜景とでは、どちらが良いのかしら。
そんなふうに迷うならば、両方をシャッターを切ると良い。
いまのコンパクトなデジタル・カメラは高性能だから。
夕焼の会心の1枚も、ガラス越しに撮影できる。
無料展望台で得したと思える人は、バー・ラウンジで夜景を見ながらビール、ワインなども楽しむと良いだろう。夜23時まで営業しているから。
お役所なのに、なぜ深夜まで展望台を開放しているの? そう疑問に思うはず。その理由は石原都政にある。
かつて石原都知事が新都庁構想で、「なぜ展望台を5時で終わらせるんだ。東京の美しい夜景を売りにしろ」と役人を叱り、夜景を活かした東京新名所作りを推し進めたからだよ。
そこは役人だ。南の展望台は5時でしっかり終わらせている。痩せても枯れても、お役人根性は生きている。
(北展望台が休みのときだけ、南は23時までやっている。つまり、やればできることなんだけどな)