天下の名園・岡山後楽園の魅力たっぷり=写真散策シリーズ
岡山後楽園は日本三大名園の一つです。他は水戸の偕楽園、金沢の兼六園です。
森閑とした、苔むす庭園が県庁所在地・岡山市のど真中にあります。
お城が見える、大名庭園はきっとこの後楽園だけでしょう。
後楽園は東京都と2か所あります。
まぎらわしいので、小石川後楽園、岡山後楽園と明記しています。
園内に入れば、とにかく広い。
とくに大都会に住む人は「こんなに広い緑があるなんて、ぜいたくだ」と絶賛します。
古風な茶室です。和服姿の女性がお茶を楽しんでいます。
それだけでも絵になります。
文化12年に作られたと明記しています。
この造りを眺めていると、誰が手入れして、次世代にバトンタッチするのだろうか、と考えてしまいます。
今から約300年前に岡山藩2代藩主の池田綱政[いけだつなまさ]が、
城から見て、この場所に庭園を造ろうと決めたそうです。
いまでは城を観る、やすらぎの場です。
園内に山門があるなんて。ちょっと不思議です。
藩主が藩内の平安と、池田家の安泰を願って、建立した堂です。
「慈眼堂」と称しています。
黒松の手入れがよく、庭園全体に品の良さをかもし出しています。
腰掛け茶屋のなかから、庭園を眺めるのも風雅な面持ちです。
4月20日は、桜が終わり、巨木が新緑へと華やかになってきました。
舟遊びの小舟でしょうか、係留地の屋形で守られていました。
外国人がお抹茶を楽しんでいました。
園内には、異国から来た人たちが多くいました。
中国・韓国の人たちは見分けがつかないので、きっと見た目よりも多いでしょう。
平日の散策路はひとり静かに楽しめます。
最近は景勝地に、旗を掲げた団体客が少なくなりました。
「沢の池」から流れ出る、小川には心が洗われます。
流れに沿っていくと、「花交の池」に行きます。
花交(かこう)とは、殿様が風情のある和歌を詠ったことでしょう。
曇り空でしたが、水面に青空が映らなくても、清流に気持ちが引き込まれていきます。
築山の「唯心山」から見る景色は絶景です。
孟宗竹による、竹囲いは風情がありますね。
鉄製のフェンスは乗り越えられたり、壊されたりします。
竹の囲いならば、悪さする人もいないでしょう。
6月は花ショウブ。職員の方々がその手入れに余念がありません。
その努力の結晶として、絢爛(けんらん)な花弁を魅せてくれるでしょう。
売店で一休み。ビールも売っていますが、昼間ならお抹茶のソフトクリームの方が無難でしょう。
この先、南門からは「岡山城」に行けます。半券があれば、再入場できます。
でも、正門よりも早くに閉門になります。
撮影:2012年4月20日