満開の桜の下で、さりげない日常風景=東京・葛飾
「家のなかにいないで、子どもは戸外(そと)で遊んでな」
下町の親は、自由に遊ばせてくれる。
「大人になったら、読み書きできればいいんだ。商人の子はそれでいいんだ。塾なんか、金を出して行かなくても」
そんな親父さんも沢山いる。
子供の情緒の養育は、下町が一番だ
【撮影日:2010年4月9日】
きょう始業式だ。でも、帰ったら、遊ぶぞ。
下町の町工場が閉鎖になり、そこにマンションが次々と建てられています。山の手の貴婦人たちが移り住んでいます。
飼い犬とは残飯で食べさせるもの。そんな下町の番犬も、ちょっとペットとは言いにくい。いまや散歩に連れ出しにくい雰囲気になりました。
親が付き添いの子どもたちはいません。まだまだ下町っ子は自由です。
でも、ママ、ボクは見ててね。
ワンちゃんがしっかり見ててあげるよ。
みんなで、仲よく遊ぶ。いじめなどないよ。
学校から、帰ったら、なにして遊ぶ? 土手向こうの、小学校が違っても仲良しです。
草すべりの遊び道具を持ってきたよ。
ボクは男の子だ。裸で日向ぼっこだ。寒くないさ、4月だもの。
コデマリも咲いています。桜ばかりじゃないよ。
パパは会社、ママは花見に名を借りた、おしゃべりごっこよ。
ワンちゃん、また出会いましたね。共通語は、犬言葉です。
リタイア組のおじさん、おばさんは土手の隅で、お花見だってさ。平日だって、関係ないんだってさ。
パパは堤防の下で働いているぞ
パパの給料は振込だから、安心よね。子育てがママの第切なお仕事よ。
桜の樹も、下町育ちですよ。堤防を造るという名のもとに、仲間の樹はたくさん伐られてしまいました。これ以上は犠牲者を出さないでください。
ちょっと、最後は暗くなったかな。でも、下町っ子は明るい、とても明るい。