水、雪、風、そして光=写真で観る横浜・桜木町
更新日:2012年3月19日
建築家の芸術性が最大限の表現されるのは、
都市空間のなかで、水を表現することだろう。
水は平面だと無音だ。立体になると音を発する。それはなぜだろうか。
私は幼いころからの疑問だった。いまだ私は回答が得られない。
水はこの世で、最も不思議な存在だ。
水際で、命を助ける。
レスキュー隊の訓練を見て、水は怖いもの、という再認識をした。
風を写真で表現する。それを探し求めていたら、月並みだけれども、フラッグがあった。
冬場の風は難しい。
水は不思議だ。天から降れば、無色の雨にもなるし、白い雪にもなる。
なぜ色がつくのだろうか。
白い雪は絵描きだ。どんな曲線模様でも作れるから。
帆船の日本丸に雪が降る。
商船大学、商船高校の訓練船として、南洋の航海をしていた日本丸だから、
さぞかし寒い思いをしていることだろう。
雪でけむる横浜港の情感も味わいがある。
一年を通しても、そんなに数あるものではないし、楽しめる景色だ。
雪と日本丸だけでは物足りなかった。
「写真には人物を入れなさい」。それが私の指導要綱だ。
やっと一人の女性がファインダーのなかに入ってくれた。
水と太陽はいのちの根源だ。
沈む太陽が夕日となり、町を飾ってくれる。光はいつも感動させてくれる。
人間が作った空間がそこにあった。無風の安らぎ空間だった。
人工の光が美の世界を作る。ただ、深い感慨で、見つめるだけである。