A045-かつしかPPクラブ

わがまち・かつしか・窓編「のぞいてみる?」=宮田栄子

猫の指定席

 吾輩は猫である。
吾輩は、お育ちがいいから外になんぞには、出ない。
日がな一日、こうして窓辺に座る。

 四季の移ろい、雨やはれ、そして何より、道を歩く人間、犬、猫、飛んでいく小鳥。見ていて飽きさせない。

 こら、いつも、写真を撮っていく、そこのおばさま。手招きして吾輩を外の世界に誘惑しないで。
 この窓は、吾輩のお気に入りの指定席。(東水元)
 

雫も窓にし 雫の中に


 雨上がりの庭で、雫がいっぱいのグミの葉をみつけた。

 マクロレンズをつけたカメラで覗くと、雫の中にまるで閉じ込められたように、淡い黄色のグミの花が幻想的に写りこんでいた。

 雫にも、窓がある(立石)


木枠の景色

 木の幹が交差して、変形の窓枠ができていた。見慣れた公園の景色も、雰囲気が変わってくる。

 夏の盛りの、蝉のぬけがらは、風通し良く涼しそうだ。(水元公園)


小さな世界


 最近に建てられた住宅は、あまり開放的でなく、小さい窓だけの家が多くみられる。外見からも、息苦しく感じないかと思ってしまうほどだ。

 だが、写真の窓は見ていて何故か楽しい。一面に並んだ10の窓は、室内から眺める人には、10の小さな世界を、見せてくれるにちがいない。(東水元)


巣立つまで

 東立石にある渋江公園の近くに、楽しい光景を見つけた。

 住宅の二階にある戸袋から、鳥が飛びだしたのだ。ムクドリのようだ。不思議に思い下から観察していると、すぐに戻ってきた。すると、戸袋の隙間から2羽のヒナが顔を出し、大きな口を開けて鳴き出した。
 戸袋はムクドリの巣になっていた。親鳥はせっせとエサを運ぶ。

 その後も、通りかかると眺めていたが、10日ほど経つと巣立ったのか、ムクドリの気配がなくなった。

 その間、雨戸は半分出た状態のままだったが、ヒナの巣立ち後、ようやく戸袋におさまった。
 やさしい住人だなと感心していると、しばらくして、雨戸の隙間に木片が打ちつけられていた。(申し訳なさそうに)

 仕方がない。鳥の窓をふさがないと、住人の窓が開けられないのだから。(東立石)

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