隙間植物シリーズ その2 = 須藤裕子
写真には、撮影者の心が表われる。
心が写真という「窓」を通して外とつながる。
「窓」といえば気になるのは、「隙間植物」。
窮屈そうに、コンクリートの隙間に生える草たち。
だが、
うまく適応して生きている。
狭ければ、狭いなりに、日当たりがよくなければ、それなりに。
なんという柔軟さ!
草の人生に、
人間の生きざまが重なって見えた。
草の緻密な模様。
こんな柄の服はどうかな。
このままでいい?
いや、
違う草が入っても面白そう。
まるで、牢獄に捕らわれた草。
が、
ここで肝心なのは、
くれぐれも、
伸び過ぎないこと。
とかく目立つ方には目がいくけれど、
目立たず、
小さく、
それなりに生えて、生きている草がいる。
「やっほー!
クローバーと一緒に撮ってもらったよ!」
・・・・・・と言っているのかどうか。
個性がない生え方というけれど、
団地に住んでいる住民と、
さほど変わらないような気がする。
苦労続きだったのだろう。
なぎ倒される度に立ち上がり、
とうとう、
花を咲かせた「セイタカアワダチソウ」。
ひと花咲かせた。
これはもう
立派なものだ。
今度は
花粉をいっぱい飛ばそう!
まぁ、住めば都。
・・・・・・というか、住んだもの勝ち。
おーっと、
暗い排水管を出たら、
外は明るく、広い。
そばを通る人の足音が聞こえる。
どっちに伸びていくかは自分が決める。
あーあ、
引き抜かれちゃった。
一年経ったら、
「ヘクソカズラ」が2本出てきて、花をつけた。
さて、どこまで伸びるか、
もっと生えてくるか。
パチパチパチ。
地面の草が花火になる。
写真は心の窓
固いガードで、
守られる草もある。
よくもなぎ倒されずに、
こんなにきれいに咲いたこと!
強運なのか、
よい偶然続きだったのか
あとがき
短い生育の時もある「隙間植物」。
「おーっ、やったね!」と思った翌日には、
抜かれている。
だが、ほどなくまた生えてくる。別の草も生えてくる。
「隙間植物」に、時の流れや移ろい、踏ん張りを見、
人間社会の縮図を見た。草も生き物。
平成26年3月~平成27年8月まで撮影