路上スナップ:青戸の「桜」=須藤裕子
「里桜」(青戸第2団地)
「桜」は、花といえば「桜」を指すほど古くから親しまれ、歌にも詠まれた。農作業の種まきなどの目安にもなった。生活の木だった。
江戸時代には、大名が諸国を行き来して江戸に持帰ったり、珍しい植木が好まれて流通して、園芸が盛んに発達した。
現在では、「桜」の品種が600種とも1000種ともいわれる。
その「桜」、青戸でちょっと楽しんでみませんか。
青戸平和公園には、「寒(かん)緋(ひ)桜(ざくら)」の花びらが混じっていた。
慈恵医大葛飾医療センターで、「染井吉野」が咲く。座り心地がよいハート形のベンチが置かれ、「葛飾区保護司会:創立50周年記念」と彫られている。
点滴をしながら入院患者が腰掛けていることもある、癒しの場だ。
青戸第1団地の「染井吉野」が散り始めた。ここには、33本の「染井吉野」が植えられている。
古い団地から建て替えられてマンモス団地になったが、この「桜」並木は残された。
青戸中学校の野球部員39人が朝練で、ランニングをしていた。このチームは、昨年、第66回東京都中学校野球秋季大会で初優勝している。
用務員の八木さんが「よく挨拶を交わす生徒たちだ」と、話していた通り、勝つためだけの野球ではなく、まずは「挨拶から!」という目標を掲げ、実行している中学校だ。
青戸第1団地で咲く「御衣(ぎょい)黄(こう)」は、朝日新聞にも載った。
貴人が着る服の色に見立てて名前を付けたといわれ、咲き始めは黄緑で、その後赤く変わっていく。
「シーボルトが持ち帰り、江戸時代の標本が現存している」
という、古くから栽培されているSpecial桜だ。
青戸平和公園には、「寒(かん)緋(ひ)桜(ざくら)」の花びらが混じっていた。
毎年、春に人の心を躍らせ、光になるのが「桜」だ。
青戸第1団地で、散り始めた「御衣(ぎょい)黄(こう)」。
通りかかった子どもが、散った花びらに触っていった。
青戸第2団地に咲く「天の川」は細身で、背丈も3~4メートルほどだ。
かすかな芳香がある。
狭い敷地に育ち、まさに都会向きだ。
青鳩幼稚園で咲く「染井吉野」と「こいのぼり」。
『あとがき』
「桜」は咲いてよし、散ってなおよし。名所に出掛けるもよし、近所で1本の「桜」を愛でるもよし。酒を飲み交わすもよし、木の下を歩くだけもよし。