A045-かつしかPPクラブ

路上スナップ:青戸の「桜」=須藤裕子

「里桜」(青戸第2団地)


「桜」は、花といえば「桜」を指すほど古くから親しまれ、歌にも詠まれた。農作業の種まきなどの目安にもなった。生活の木だった。
 江戸時代には、大名が諸国を行き来して江戸に持帰ったり、珍しい植木が好まれて流通して、園芸が盛んに発達した。
 現在では、「桜」の品種が600種とも1000種ともいわれる。


 その「桜」、青戸でちょっと楽しんでみませんか。
 青戸平和公園には、「寒(かん)緋(ひ)桜(ざくら)」の花びらが混じっていた。


 慈恵医大葛飾医療センターで、「染井吉野」が咲く。座り心地がよいハート形のベンチが置かれ、「葛飾区保護司会:創立50周年記念」と彫られている。

 点滴をしながら入院患者が腰掛けていることもある、癒しの場だ。


 青戸第1団地の「染井吉野」が散り始めた。ここには、33本の「染井吉野」が植えられている。

 古い団地から建て替えられてマンモス団地になったが、この「桜」並木は残された。



 青戸中学校の野球部員39人が朝練で、ランニングをしていた。このチームは、昨年、第66回東京都中学校野球秋季大会で初優勝している。

 用務員の八木さんが「よく挨拶を交わす生徒たちだ」と、話していた通り、勝つためだけの野球ではなく、まずは「挨拶から!」という目標を掲げ、実行している中学校だ。


 青戸第1団地で咲く「御衣(ぎょい)黄(こう)」は、朝日新聞にも載った。

 貴人が着る服の色に見立てて名前を付けたといわれ、咲き始めは黄緑で、その後赤く変わっていく。

「シーボルトが持ち帰り、江戸時代の標本が現存している」
 という、古くから栽培されているSpecial桜だ。


 青戸平和公園には、「寒(かん)緋(ひ)桜(ざくら)」の花びらが混じっていた。


 毎年、春に人の心を躍らせ、光になるのが「桜」だ。

 青戸第1団地で、散り始めた「御衣(ぎょい)黄(こう)」。

 通りかかった子どもが、散った花びらに触っていった。


 青戸第2団地に咲く「天の川」は細身で、背丈も3~4メートルほどだ。
かすかな芳香がある。

 狭い敷地に育ち、まさに都会向きだ。


 青鳩幼稚園で咲く「染井吉野」と「こいのぼり」。


『あとがき』

 「桜」は咲いてよし、散ってなおよし。名所に出掛けるもよし、近所で1本の「桜」を愛でるもよし。酒を飲み交わすもよし、木の下を歩くだけもよし。

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