「かつしかPPクラブ」の定例講座の活動模様
「かつしかPPクラブ」(浦沢誠会長)は、葛飾区民記者の自主グルーブである。発足から3年が経過した。現在の会員数は16人である。活動内容としては、区内のイベント、神社仏閣などの行事、四季の移り変わり、人物インタビューなどを丹念に取材したうえで、冊子にして関係者などに配付している。
区民記者として毎月の勉強会、情報交換会を開催し、たがいに切磋琢磨している。他方で、「記事の書き方」「報道写真の撮り方」「インタビューの方法」という3本柱の腕を磨くために、年4回は講座を開いて提出された冊子(表紙・裏表紙+6ページの記事)の講評を行う。
今年最初の講座は、2月15日(金)だった。場所は同区東立石地区センター2階で、18時30分から21時まで、2時間半にわたって開催された。16人の会員のうち、参加者は15人(1人は海外旅行で欠席)という高い出席率である。
「出席を促さないでも、全員が集まった」と浦沢会長が話す。記者として意欲と熱意の表れだろう。
今回は、同区教育委員会・生涯学習課の取材要請で、1月19日(土)に開催された『第5回堀切大凧揚げ大会』を取り上げた記事が中心だった。
同大会の発足は、堀切中学校のOBと現役の生徒が「堀切は花菖蒲で有名だけど、それ以外の何かしらイベントをやろう」、と思慮していた。新潟市南区白根に縁者がいる、OBがいた。白根の大凧は世界最大級である。そこの協力をもって「凧揚げ大会」をやろう、と決まったのだ。
第1回は大雨だった。第2回は東電の高圧線に凧が引っかかってしまった。中学生たちのイベントのスタートは難儀なものだった。それでも地域の人たち、教育委員会の支援の下に、年々、活気が増して、またたく間に大きな大会になった。
今年の開会式には青木区長、地元選出の代議士まで参加する。堀切大凧大会と組み合わせたバスツアーまでも売りに出されていた。大手メディアまで数多く取材に来て、NHKの昼のニュースにまで流れる。
23区では最大級の広々とした堀切河川敷で、幼児、中学生の数百個の凧が舞う。さらには白根の大凧(24畳)が中学生が引くローブで、大空に揚がる。対岸には東京スカイツリーが屹立している。絶妙な組み合わせだ。プロ、アマを問わず、大勢のカメラマンがシャッターを切っている。
中学生たちの行事がわずか5年間で、大イベントになった。まさに、町おこしの典型的な成功例だろう。
「かつしかPPクラブ」のメンバーは地元在住の区民記者だけに、細部にわたる取材を展開し、濃密な取材レポートを冊子でまとめ上げている。私は添削していても、同一の素材による記事だったが、記者たちの切り口の違い、見方の違いなど、一つずつ新鮮な驚きと興味を持つことができた。
区民記者たちは今年の新潟市の「白根凧合戦」に交流取材に出向こう、最終日の6月9日(日)~10(月)に、という企画が講座のなかで提案されていた。多くが乗り気だった。
堀切大凧揚げ大会のくわしい様子は『穂高健一ワールド』(みんなの作品)【【かつしかPPクラブ】写真で愉しむ、葛飾区のビッグな凧揚げ大会】で紹介しています。
凧揚げ大会のほかに、平成24年2月に誕生した『かつしか郷土かるた』を使った、今年の正月に開催されたカルタ大会を取り上げた、内容の濃い記事もあった。
同かるたの発行は葛飾区教育委員会で市販されている。絵札は世界的に著名な切り絵画家の辰己雅章(たつみ まさあき)さんである。
44の題材は、5379句の応募から、葛飾の自然、産業、文化・歴史、人物などから選定されたもの。選定までの経過など関係者から取材し、大会模様などインタビュー記事でまとめられている。
「かつしかPPクラブ」は次回、5月19日(日)。10時~17時まで、全員が団体行動で区内を歩き、取材してまわる。実践・野外研修会が行われる。これらも恒例になってきた。
講座風景の写真=郡山利行さん(かつしかPPクラブ)
関連情報
「かつしか郷土かるた」の問合せ先
葛飾区教育委員会事務局 生涯学習課
〒124-8555
東京都葛飾区立石5-13-1
☎03-3695-1111(代表) 5654-8475(直通)