写真で愉しむ、葛飾区のビッグな凧揚げ大会(上)=郡山利行
24畳の巨大な凧(タコ)が快晴の空に、葛飾区内を流れる荒川の河川敷から舞い上がった。23区内では指折りのビッグな「第5回堀切大凧揚げ大会」が1月19日(土)に開催された。凧合戦で知られる、新潟市南区白根の「白根凧合戦協会」の全面協力の下で行われた。主催は同実行委員会と区教育委員会である。
白根凧合戦協会の24畳の大凧のほかに、区立堀切中学校の生徒の手によって制作された凧などが多彩に舞い上がった。
一般の参加者たちには小さな凧が250個が無料配されて、親子などで和気あいあい愉しむなど、地域イベントとして定着してきた。と同時に、『下町堀切まち歩きと大凧揚げ大会ツアー』もおこなわれるほど、人気は急上昇中である。
最大級の巨大な凧が東京スカイツリーを背景して舞う。写真にしろ、映像にしろ、観る人を楽しませるだけに、大手報道各社の記者が数多く取材に押しかけていた。
かつしかPPクラブの区民記者も12人が取材にくり出した。まずは速報として写真で紹介する。
葛飾区が区制80周年を記念して、特注した、2基の12畳大凧がならぶ。対岸には東京スカイツリーが屹立(きつりつ)する。
凧揚げ会場は野球場と堀切水辺公園である。荒川の左岸河川敷で、ぜいたくなほど広々としている。
河川敷施設の管理運営が同区・教育委員会の生涯スポーツ課と都市整備部の公園課である、とはあまり知られていない。
第1回は雨のなかで開催された。第2回は東電の高圧送電線に(中学生の)凧が絡まった。こうした経緯がある大会だけに、関係者には愉しさを演じながらも、どこか緊張感が漂っていた。
大会前には凧職人が、「24畳大凧の組み立て」を行う。伝統ある喧嘩凧だけに、太いロープが威圧感を伴っていた。
青木葛飾区長は開会のあいさつで、「区制80周年記念に特注して作った、2基の大凧」を誇らしげに語った。
六角凧は同区立堀切中学校の美術部の生徒たちが中心となって描いたもの。白根の手慣れたスタッフの手で組み立てられていく。
白根の味方中学校生徒たちが作成した凧も、会場入りした。
『堀切中学校の皆さんへ 人生は燃えることなり』のメッセージが凧の絵柄に折り込まれていた。
1、2年生たちが一斉に走り回って凧上げに挑戦する。午前中はあいにく適度な風が吹かず、ほとんどが巧く揚げられなくて悔しがっていた。
3年生男子生徒による、24畳の大凧揚げに挑戦する。
3年生は懸命に走る。背後で、凧がかろうじて舞い上がる。
「重くて速く走れなかったが、なんとか揚がった。うれしい」と生徒は感想を述べていた。
3年生女子生徒らも大凧に挑戦する。
土手の見物人から「頑張れ、頑張れ」と声援が飛ぶ。
成功。見事に揚げることができた。
【つづく】
写真・文 郡山利行