「コミニティの可能性を信じて」=斉藤永江
作者紹介:かつしかPPクラブ・正会員(2011年度・かつしか区民大学・区民記者養成講座終了)・栄養士・製菓衛生士。チョコレート製作を始め、洋菓子作り・和菓子作りに携わる。
コミニティの可能性を信じて ミルクショップワタナベ 渡辺社長奮闘記
目次
1.開店経緯・渡辺社長の熱い思い
2.店内の様子・配達車
3.平日の店内・外観
4.かつしかスポーツフェスティバル
5.取材を終えて・編集後記
開店経緯・渡辺社長の熱い思い
ミルクショップワタナベは、2007年4月1日に、牛乳の宅配専門だった立石から、四ツ木・マイロード商店街に移転し、店頭販売を始めた。
社長の渡辺浩二さん・(42才・写真左)は、「みどりのおばさんが亡くなっていたのに気付かず、牛乳を配達し続けていてショックでした。地域の人が声を掛け合い、安否を気づかう、コミニティの必要性を強く感じました。」と、その動機を話した。
同商店街は、シャッター街で、ほとんどの店が閉まっている。「それでも、道行く人が気さくに挨拶をしてくれて温かさを感じました。お年寄りや子供が安心して集まれる空間を作りたい。国まかせにするのではなく、自分の力でやってみようと思いました。」
と、その熱い思いを語った。
店内の様子・配達車
店内には、牛乳・乳製品の他にも、駄菓子や豆腐、米、物産品、非常食など様々な品物が並び、200種類に及ぶ。
『ミルクの日』を作って、販売促進をしている。
「それでも、パック牛乳に比べて割高のびん牛乳は、なかなか買ってもらえない。一度飲んで頂ければ、風味の違いや栄養の違いに気づいて頂けるのですが。」と、その苦労を語った。
配達の時には、手紙やお知らせを入れ、安否を確認するなど、牛乳ボックスの交流にも努めている。
自らデザインした車を披露する渡辺社長平日の店内・外観
店内には、子供の絵や、地域の人が撮った写真が飾られ、ベイブレード大会やクリスマス会など子供向けのイベントも開催されている。
営業に出ている社長に代わり、お店を切り盛りしていた父親(写真右)に話を聞いた。
「次男がお店を継いでくれました。地域やお子さんたちに喜んでもらえるようにと様々な活動をしていて、毎日忙しいようです。」と、体を気づかった。
「地井さんが、テレビの撮影で寄ってくれました。
突然やってきてびっくりしましたよ。」
かつしかスポーツフェスティバル
10月10日の体育の日に行われる『かつしかスポーツフェスティバル2011』に出店するというので、準備に追われる渡辺社長を取材した。
「昨年に続き、今年は2度目の参加です。前回は、ヤクルトのお店が隣りで、風船のサービスをするなど華々しく、当店は大変苦戦しました。今年は、それを教訓にマミーのつかみどりを企画するなど工夫しました。」と、その意気込みを話す。
取材中は、客がとだえることなく大繁盛で、同企画に参加する子供たちの笑い声が響いた。開店間もない賑わいで、接客と会計に追われ、てんてこ舞いの店内であった。
どんなに忙しくても笑顔をたやさない
渡辺社長
取材を終えて
日曜日・平日・体育の日と、3日に渡り取材をさせて頂きました。
いずれの日も、真っ直ぐな視線で、誠実に対応してくださる渡辺社長の姿がありました。
コミニティを通して、地域の活性化を目指し、しいては、社会や日本経済を良くしたいとの強い信念を持って日々奔走している姿には、深い共感と感銘を受けました。
と同時に、コミニティに対する不信感、押し売りを心配するお年寄りの声への対応、情報発信の難しさなど、運営の大変さも感じさせられました。雇用にも力を入れ、牛乳の配達範囲は、葛飾全域の800件以上にのぼるといいます。
子供好きからスポーツクラブのお兄さんを2年間務め、学生時代には、ラグビーに夢中になったという熱い思いを強く感じることができました。
今後ともその情熱を地域発展のかけ橋にされることを期待しています。
記事・写真=斉藤永江
撮影日・平成23年9月18日・四ツ木