A045-かつしかPPクラブ

第32回葛飾川柳大会:公式取材活動=郡山利行

 葛飾区民文化祭「川柳大会」が10月10日(月・祝)に、同区の金町地区センター5階で開催されました。第56回葛飾区民文化祭の行事のひとつ。主催は葛飾川柳連盟(川柳かつしか会長・田中八洲志さん)で、今年で32回目を迎えました。参加者は約120人です。
「かつしかPPクラブ」としては、公式行事への初取材でした。

 同大会では優勝カップ(区長賞、区議会議長賞、教育委員長賞、文化協会会長賞、葛飾川柳連盟賞)、および表彰状と記念品が上位20位まで、特別課題についての賞などがあります。

 朝11時から、参加者が思い思いの時間に来場し、受付で指定の句箋(短冊)を受け取り、席に着いていました。正面に掲示された「7つの宿題」(2か月前に告知)ごとに川柳を書き込み、締め切り時間の午後1時までに区箋に清書してから投稿です。

 多くのひとはあらかじめノートに作品を用意してきていますが、投稿前に再考したり、最後の推敲をしたり、真剣そのものでした。穏やかだった顔も、投稿用の区箋に向かううちに、迷い悩む表情になり、何度も書き直すなど、だれもが真剣そのもの。会場はしーんと静まりました。

 今年度の宿題は7題です。「家族」、「追加」、「視線」、「金廻り」、「分岐点」、「乾く」、「祭礼」です。そして、特別課題として、1題「仕上げ」です。

                (熱心に、川柳を創作する参加者たち)

 
 田中大会会長(82歳)から話を聞きました。
 「私は20歳から川柳を始め、62年間の経歴があります。川柳への動機は、読売新聞に中国へ出兵していた兵隊が送ってきた川柳に感動したことからです」と熱い思いを語ってくれました。
 同大会について、「宿題は7人の選者がそれぞれに考えました。私の出した、『祭礼』は、葛飾区民文化祭の祭りから採用しました。参加者は各宿題ごとに、3稿まで投稿できます」と仕組みについても説明してくださいました。
 

 早めに到着した、青木区長からも話を聞きました。「今年は、区民文化祭の16か所の全会場を回る予定でいます」と、多忙な中でもフットワークの良さと、文化的な事業への熱心な取り組みについて語ってくれました。「かつしか区民大学」から生まれた、区民記者だとわかると、「会場の真ん中で、いっしょに記念撮影しましょう」と自ら提案してくださった。

 午後1時に締め切られた投票箱ですが、会長、事務局長などの手で、会場の下階にある選者控室へと運び込まれました。

  (選者による、審査会場:審査前に10分間の特別撮影許可をいただきました)


 投稿後の会場は、参加者たちが久しぶりの再会をたのしんだり、創作活動を語り合ったり、投稿作品を披露したり、和気あいあいの雰囲気でした。


 参加者からも話を聞きました。杉山太郎さん(横浜市鶴見区)は「最初は短歌から入り、二十数年前から川柳を始めました。川柳の魅力は、面白く、賞品が頂けるのが楽しい。これまで横浜市長賞、千葉県知事賞などを受賞しました」と語られた。

 会場の一角では、出版社(新葉館出版)の竹田麻衣子福編集長がテーブルに出版本を並べて販売していました。川柳関係の出版を主に扱っている会社で、同大会の記録も取材していました。


 約1時間半の審査が行われました。午後2時30分から、青木区長と舟坂区議会議長からの祝辞があり、成績発表(川柳では披講)です。
 優勝(葛飾区長賞)は総合点で12点をとった、千葉県成田市の安部離楽数(あべりらっくす)さんに決定しました。喜びの安部さんは、「川柳は35歳からはじめて、約8年です」と話されていました。

 大会会場を後にする参加者たちは、来年への意気込みを言葉少なげに仲間に語りながらも、胸に闘志を秘めているようでした。
                       
                          文:かつしかPPクラブ 浦沢誠

                          写真:  同     郡山利行

                          編集: 滝アヤ  
  

「かつしかPPクラブ」トップへ戻る

ジャーナリスト
小説家
カメラマン
登山家
「幕末藝州広島藩研究会」広報室だより
歴史の旅・真実とロマンをもとめて
元気100教室 エッセイ・オピニオン
寄稿・みんなの作品
かつしかPPクラブ
インフォメーション
フクシマ(小説)・浜通り取材ノート
3.11(小説)取材ノート
東京下町の情緒100景
TOKYO美人と、東京100ストーリー
ランナー
リンク集