第11回『元気100エッセイ教室』作品紹介
教室が始まる冒頭、受講生の賀田恭弘さん(松戸市)の死去が伝えられた。悲しみの暗い気持ちになった。
ソニーの黄金時代に同僚だった河西和彦さんが、12回の提出作品で、追悼エッセイを書いてくださった。穂高健一ワールド、トップ参照 葛西さんの作品を読みながら、冥福を祈った。
新しく濱崎洋光さんがメンバーに加わった。提出されたのは「散歩道」で、情景描写のすぐれた作品だ。人は視点、見る角度によって、情景の感じ方がちがう。物事の見方も、同様に捉える角度によってちがってくる、という内容だ。
今回の教室のレクチャーでは、喜怒哀楽の感情表現について述べた。人間の複雑な感情をいかに巧く言い表せるか。それが優劣を決める一つになる。
月並みなことばで、……うれしかった、悲しかった、泣いた、腹が立った、なさけない、等とストーレートに書くと、思いのほか読者には、作者の心情が伝わらないものだ。激怒とか、慟哭とか、ことばが大袈裟になれば、作品がしらけてくる。
それを解決するには、平たい感情のことばに、反対の言葉をちょっと添えてみることだ。『ことばは料理と同じ。甘いものには、少量の塩味が利く」というコツを述べた。