29回「元気エッセイ教室」作品紹介
今回は、「エッセイは何のために書くのか」と,受講生には一度振り返り、自問してもらった。それぞれにエッセイに取り組む、その意義、目的、思いなどは異なる。
「私自身のために書く」
それは全員に共通するものだ。
エッセイと日記との違いは明瞭だ。日記は自分自身が読むもの。エッセイは他人に読んでもらうもの。この違いは大きい。
エッセイには読者に感動を与え、共感を得る、という目的がある。突きつめると、『この世に生きてきた、いま、ここに生きている』という姿を描き、他人に読ませるもの。それがエッセイの真髄である。
エッセイと記事の違いはどこにあるか。記事は5W1Hで、より事実、史実のみを読者に知ってもらうことだ。書き手の感情や感覚を排除した、客観性が求められる。
エッセイは主観で書くものだ。過去、現在、将来の一部を切り取って書きつづる。五感、あるいは全身で感じたこと、想いなどを読者にも同様に感じてもらうものである。
今回の作品紹介は、作者の意図や狙いなどを中心においてみたい。『書きあげた作品は手を離れると、一人歩きをする』。読み手の考えと、作者の意図がまったく違うケースもある。それが前提である。