34回「元気エッセイ教室」作品紹介
エッセイは作者の『心情』が表現されているほど、良い作品だ。出来事が小さくても、日常の些事でも、「作者の心」が十二分に表現されていれば、読み手を引き込む、求心力の強い作品になる。
【書くうえでの『心情』の留意点として】
① 日常茶飯事のことがらで、誰もが見逃す、通り過ぎて行く、そこに焦点を当ててみる。
② 人には数々の苦しかった体験がある。自責のミス、落ち度で窮地に立った出来事を取り上げてみる。
③ 事象と自分の心を執拗に往復させ、心理描写は多めを心がけて書く。
④ 「この程度で、読者が解ってくれるだろう」という、読者への甘えは止める
毎回、写真を使った演習を行っている。今回の『心理描写』の演習は難しかったようだ。
16歳の妊婦と父親(33)の写真と会話を紹介し、それぞれに「私の心情」「私の考え」「私の思い」を書いてもらうものだった。受講生の世界とあまりにも乖離し、お手上げ状態の人が複数いた。
エッセイ作品の提出は15人で、過去最大だった。人生経験豊かな受講生だから、味のある作品がずらり並ぶ。それら作品を紹介したい。