よみうりカルチャー「文学賞を目指す小説講座」メンバーと合宿=房総
小説講座の合宿が5月の連休を利用して、2日間行われた。年初、よみうりカルチャーセンターの小説講座の受講生から、「先生、合宿をしませんか」と提案があった。世間が休みの大型連休・5月か、8月ならば、いいよ、と返事しておいた。
私が30代のころ講談社フェーマス「小説講座」で、伊藤桂一氏と出会った。その後の同人誌「グループ桂」の活動を通して、伊藤先生らとなんどか合宿した記憶がよみがえった。集中した時間で、濃密な授業ができた。
別途、同人誌「ちょき舟」にも入っていたので、そこでも小説仲間との合宿があった。朝日カルチャー小説講座生が立ち上げた同人誌だけに、レベルが高かった。合宿では朝から晩まで、仲間の作品を時間をかけて論議できた。実に、有意義な合宿だった。
これらふたつの合宿が筆力を一気に高めてくれた。
こんかいの場所は、受講生の森田さんが千倉の別荘を提供してくれる。宿泊代がかからない分、それをバーベキューや飲食代にまわせる内容だった。幹事は山田さんだった。
早朝の出発は苦手なのだ、私は前泊で千倉にむかった。5月2日(土)は5月連休の最初で、内房線は混み合っていた。
夕暮れ前に、千倉駅に到着すると、森田さんが迎えにきてくれていた。
海岸の散策にでた。やさしい湾曲の海辺だった。
私は波静かな瀬戸内の島育ちだ。太平洋の沿岸にくると、荒々しい波の光景を期待する。
この日はそれに反して静かな磯辺だった。
見わたしても、釣り人は少なかった。
磯から海に突きでた堤防で、20代の男性が『ブレイクダンス』を踊っていた。そばでは彼女が一眼レフで撮影する。
私は近づいて、「とても、素晴らしいダンスだね。撮影させてくれませんか」と声掛けした。男性は快く応じてくれた。「ムービーですか、スチールですか」と問う。
「デジカメのスチールです」と答えた。ダンスはハイスピードである。一眼レフと違い、デジカメではシャッター速度がダンスに追いつかず、鈍い。
妙技のタイミングが捉えられず、ワンテンポ狂ってしまう。懸命に踊ってくれた若者には申し訳にないな、と思う。
『ブレイクダンス』が不本意だったので、若者たちにふたたび声掛けして、ツー・ショットを撮らしていただいた。
ここまで協力してくれたのだから、礼儀として名刺をお渡しした。
よみうりカルチャーセンター「文学賞を目指す小説講座」は現在、8人の受講生である。そのうち5月3日の早朝には、5人が集まった。
千倉の森田邸では、作品の講評と小説技法のレクチャーである。
隅田さんが、ブログ「隅田 昭のエンタメーゼ」/に合宿の詳細を書いてくれる予定だ。
内容は、そちらに譲りたい。