第50回・元気100エッセイ教室=上手なエッセイは短編小説技法で書く
「50」には、物事に対する半分の節目というイメージがある。歴史では半世紀。数値の50%。志の道半ば、まだ半人前、諸々の使い方がなされる。一方で、ここまで来たか、そんな達成感もあるものだ。
エッセイ教室は50回となった。受講生は学びはじめてから、毎月1本は欠かさず、50編の作品を仕上げてきた。大変な道のりである。
創作作品は思いつきで何本も書けない。壁が幾度も出てくる。その都度、悩み苦しむ。一方で、自己陶酔で楽に書いた作品には距離感がないし、味気もない、と指摘を受ける。目線を下げて、苦しんで書きなさいと指導される。
「隠したいことを赤裸々に書きなさい」
エッセイや小説は他人に読ませるもの。こうなると、もはや開き直るしかない。ひたすら書き続けることだ。
「もう書くものがない」
そこで筆を折ったら、それで終わり。到底、50回に及ばなかっただろう。
ここに及んで、まだ道半ば、と言われると、文学・芸術の天井の高さを知ることになる。金字塔のエッセイが生まれるためには、あと50回は苦しまなければならない。
それを視野に入れて、元気100の教室のレクチャーでは、創作の重要ポイントの再確認した。
①素材は人生の一断面を切り取って見せるもの。結論は要らない。
②材料を絞り込み、テーマを統一し、時間を止めて書く。
=求心力(立体感と、奥行きが生まれる)
③書きやすい脇役は押さえ込む、主役(私)は意識して盛り上げる。
=深みが出てくる。
④描写文に徹する(心理描写、情景描写)。説明文は最低限で、文の接着剤程度。
⑤書き出しは重要。最初の数行は、一度切って捨ててみる。
⑥ラスト一行で、テーマの言葉を入れてみる。
=結末は読後感と評価になる。
⑦良い文体は密度で決まる。書き上げたあと、圧縮と省略はくり返し行う。
・圧縮は、文章の冗漫なところを圧縮する。文章のぜい肉を除去する
・省略は、重複している文、削っても文脈が傷まないところを刈り取る
・センテンスは平均43字以内で、文章の老齢化を防ぐために、句読点は多めに。
⑧仕上げは題名を再検討をする。
・ラストの数行、テーマ、題名、3つをリンクさせる。
私はエッセイストではない。「起承転結」という、訳のわからない指導などしない。小説家である以上は、エッセイの指導においても、上手な叙述文の書き方として、短編小説の技法を取り入れている。強いて言えば、枚数の違いていど。
①~⑧項目は、小説を目指す方ならば、中級に到達した人の技法である(文学賞の一次、二次予選通過レベル)。小説は枚数を書いても冗漫にならない、エッセイの場合はフィクションで逃げられない。それぞれに辛い制約がある。
それを書き添えておきます。