第46回・元気100エッセイ教室=文章の若返り
文章にも老齢化がある。
文章には呼吸とリズムがあります。それが句読点(くとうてん)です。
句点(。)は平均して45文字ていどが、最も読みやすく、読者の理解をスムーズに運んでいきます。
句点が少なく、センテンスが長くなると、主語と述語の関係が乱れてきます。一つのセンテンスのなかに、意味が2つも、3つも、ひどいときは5つぐらい入り込みます。そうなると、作者は一体なにを言っているのか、と解らなくなります。必然的に読むのが嫌になります。
読点(、)は文脈を考え、わかりやすい文章にさせるものです。読点(、)は平均的に15字前後が最も読みやすい文章のようです。
年配者ほど句読点(くとうてん)が少なくなる傾向があります。それは文章の老齢化です。読者側は、一読で文意がつかめず、もう一度読み直す。そのくり返しが多くなると、そのうち読むのが嫌になり、途中で放棄してしまいます。
とくに読点の打ち方は大切です。名作の情景文は、句読点が短いものが多いようです。それは若さと文体(個性)を作ることにつながります。
読点を打つ場所
①文章の主題を示す、主語を強調するとき
蛇を見た娘は、悲鳴を上げて後ずさりした。
②文が中止するところ
ベッドの上で、私は一日のできごとを振り返った。
③語句を対等に並列するとき
わが家の庭は春になると、ロウバイ、ボタン、レンギョウなどが咲く
④接続詞のあと。
しかし、そして、だから、さらに、ところで
⑤条件や理由をあげたりするとき
金と暇があれば、かえって無駄な日々を過ごすものです。
⑥助詞を省略したところ
私、彼が嫌いになったから会いたくありません。
⑦誤解を避けるとき
ここで、はきものを脱いでください。 ここでは、きものを脱いでください。
⑧倒置したところで
京都に行ってきました、私たちは婚前旅行で。
⑨前置きの節や語句を区切るとき
終戦記念日に、私は沖縄に訪ねてみた。