A020-小説家

第40回、元気100エッセイ教室

 このエッセイ教室は40回を迎えた。これほど長くつづくとは思わなかった。それが本音だ。現在は平均して15人ほどの提出者がある。大ざっぱに見ても、500作品ぐらいに朱を入れてきたことになる。
 受講生は皆熱心で、レベルが高く、一段と読み応えのある作品を創作している。その限りにおいてはうれしい。


 教室の冒頭には、30分間の講義を入れている。テーマ、構成、書き出し、結末とか、表現方法、描写方法、心理描写、素材の切り口などとつづけてきた。もうタネ切れだな、もう教えることはないな。そう思うこともたびたびである。
 それでも、過去のレクチャーとダブらないように、と努めてきた。

 今回は、「上手な題名のつけ方について」について、説明した。
 題名は、読者と作者との最初の出会いの場だけに、最も重要な位置づけにある。指導する側にたてば難しい。
 読者の目につきやすく、手に取りたくなる。読みたくなるように工夫するが必要です。単に目立つばかりではだめです。作品の内容を端的に言い表すべきです。

(具体的に示してほしい)
 そう問われても、即答はできない。

良い題名」とは何でしょうか。
 法則があるようでない。作品の素材とか、内容とか、時代とか、読者がある程度の推量ができるものが求められます。読後には、
「なるほど、だからこういう題名か」
 と説得力を持つものが、光る題名だといえるでしょう。

題名をつけるポイント

① 七五三に代表される、日本文化の文字数は奇数が良いと、過去から多くの作家が言っています。歌舞伎の世界、俳句の世界などみても、日本語がもつ語呂合わせ、響きなどが良いからでしょう。むろん、一文字も奇数ですから効果的です。

② 意外性、非日常的、非常識、逆説なものが読者の目を惹きます。

③ 作品のテーマを据えてみる。作品のテーマがずばり言い当てられている、それがよい題名の一つになります。

④ 題名に、地名、人名などを入れると、読者の想像が容易になります。

 最後は作者の感性です。こう結ぶと、受講生には解ったような、わからない言葉になってしまう。題名の指導は難しい。こうして、40回目のレクチャーをおえた。

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