A020-小説家

主役と脇役と、写真の技を教わる。日本文藝協会のパーティーで

 5月11日は早朝から雨だった。午前中は、東京・千代田区でHRM主催の第5回「心の経営」実践フォーラムに参加した。文筆業となってからは、会社経営とかリーダーシップ論とかに縁遠く、無関心になっていた。
 理事長の弓山桂司さんとはある取材が縁で、親しく交流させてもらっている。HRMの会員にもなり、折々にフォーラムにも参加している。出席者は40代前後の若手実業家が多い。
 今回は、60歳で保険会社を設立した、出口治明氏の講演だった。中高年にも、残された人生にも可能性が大だと、刺激を受けた人が多かったようだ。

午後も雨だった。東京・市谷の「アルカディア市ヶ谷」で、第64回日本文藝家協会の総会が開催された。2000人余りの会員を持つ、作家、文学者の団体。ほとんどが委任状で処し、会場に見えた参加者は70人強だった。
 公益法人への移行から、定款の変更など、重要な議案がある。そのうえ、著作権に絡む、グーグル問題など、日本の文芸が帰路に経つ。その割には、参加者が少なくて、「寂しいな」という印象をおぼえた。

 一方で、著名な三浦朱門さんなどが、遠慮のない質問をする。日本ペンクラブ、日本山岳会などもそうだが、総会では鋭い質問が飛び交うことが多い。単なる拍手で終わらない。そうした雰囲気が好きだし、日程が許すかぎり、私は会員の義務として参加するようにしている。


 夜6時からの懇談会は、約200人強になった。出版、放送、各関連団体から大勢の参加者があった。落合恵子さんの20分間のスピーチの後、会食と懇談に移った。

 日本点字図書館の小野俊己から声をかけられた。久しぶりの談話ができた。副館長・本部長に出世されていた。杉山雅章部長ともども、私の執筆する「坂本龍馬と瀬戸内海」に興味を持ってもらえた。
「視覚障害者は歴史好きですよ」「皆さんの前で、穂高が龍馬の講演をしましょう」という話になった。

 日本写真家協会の田沼武能さんが、同じテーブルにいらっした。日本の写真界の大御所だし、日本最大級の写真コンテストの審査委員である。「写真の上達法」とか、「良い写真とは何か」について聞いてみた。

①良い写真を数多くみて、それを真似てみる。販売をしたら、著作権のからみで駄目です。学ぶためには大切です。そのうち、自分のパターンがつくれてきます。

②感動したものを、感動したまま写し取り、それをそのまま観る側に伝えられる。それが良い写真です。

③漫然と広がっているもの。そのなかで、主役と脇役を入れる。(主役だけでは妙がない)

④何を撮りたかったか。何を伝えたかったか。そのテーマがはっきりしたもの。それが良い写真です。この点では文章・文藝と共通する、という。

 今月末から、かつしか区民大学で、「私が伝えるかつしか ~歩く、撮る、書く~」の講師として8回の講座を受け持つ。
 受講生たちにも、田沼さんの話を紹介したい。


写真・上段は第64回日本文藝家協会総会
   下段は落合恵子さんのスピーチ

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