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『ルーズベルトの刺客』・マヌエラ追悼公演を観て

 今年2月ごろ新宿で、永島直樹さんから、「秋には西木正明さん(直木賞作家)原作の芝居をしますから、ぜひ観にきてくださいね」、といわれていた。それから月日が経ち、すっかり忘れていた。『良い芝居になりそうです、ぜひよろしく』という文面を添えた案内状がとどいた。

 題名は『ルーズベルトの刺客』で、原作・プロデュースは西木正明さん、演出・脚本は永島直樹さんだった。劇場は新宿御苑前のシアターサンモール。サブタイトルに、「マヌエラ追悼公演」とあった。どういう人物なのか、男女もわからず、さして気にもとめていなかった。

 舞台は第二次世界大戦前の上海租界の社交クラブだった。各国の思惑が入り乱れたスパイ活動、テロ活動が行われていた。「マヌエラ」は美貌とダンサーとしての輝きから、各国スパイの憧れの的だった。彼女は秘密のベールに包まれ、素性が知れなかった。劇が進行するうちに、初代・水の江滝子が上海で「マヌエラ」という名で活躍していたとわかる。

 当時の日本軍が上海在留のユダヤ人に軍事訓練を施し、アメリカに渡らせ、ルーズベルトを暗殺する。その企てが進行していた。3000年も国土を持たないユダヤ人は、見返りに建国の夢を満州国の一角に抱き、協力する。

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 焼き鳥屋『光っちゃん』で、小中陽太郎さんと2人で語らい

 日本ペンクラブのメルマガで、『ペンの顔』シリーズを書いている。会長の阿刀田高さんからスタートし、専務理事の浅田次郎さん、副会長の下重暁子さんなど、もう10人くらいに及んだだろう。
今回は小中陽太郎さんだ。梅原猛会長の下で、日本ペンクラブ専務理事として、その6年間は中核で運営に携わっていた。現在は同クラブの理事だ。

 先月には「ペン理事会」の後、小中さんのインタビューをおこなっていた。理事会の後は例会で、出久根達郎さんのミニ講演が予定されていた。インタビューはわずか10分ていどだった。『ペンの顔』の記事とするには駆け足過ぎた。記事の内容にはもっと深みが欲しいし、部分的な確認もあり、小中さんには再度インタビューを申し込んだ。

 10月18日の夕刻に目黒駅で、小中さんと落ち合った。駅前の喫茶店に入るなり、小中さんが平賀源内の話題から、オーダーしたばかりのコーヒーを棚上げにし、近くの東京都庭園美術館(旧迎賓館)に案内してくれた。道々、「目黒」の名の由来とか、白金台の江戸時代の史実とか、戦後のGHQによる占領の出来事とか、諸々の話が聞けた。

 小中さんはかつて「鈴木知事に対抗して、東京都知事に立候補を」と押されたという。仲間の小田実さんが立つので、べ平連から2人出てもしかたない、と止めたと語っていた。

 同美術館は5時閉館前だったで、場所の確認にとどまった。目黒の喫茶店にもどってから、小中さんのインタビューに入った。84年の国際ペン東京大会では、小中さんは国際委員長として、大江健三郎さんとともに活躍されている。私からの事前質問の一部に対して、小中さんは三好徹さんに電話で確認されていた。他方で、関連資料をも持参していた。そこには井上靖会長の自筆の書簡があった。

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長編ミステリー『心は翼』は最終回。少女誘拐犯が証拠隠滅を企てた。

『TOKYO美人と、東京100ストーリー』の第3作・『心は翼』が7回の連載で、最終回を迎えた。400字詰め原稿用紙で、約400枚の作品である。
 脱稿したいま、この作品の創作前後にふれてみたい。


【マドンナについて】
 モデルの方々にも、企画に参画してもらって入る。マドンナの名まえとか、職業などを決めてもらう。写真の撮影場所なども。

 書き手としては好きなようにシチュエーションを選べない、ストーリーを好き勝手に運べない、という制約を自分に課すことになる。知らないことが多いと、取材が多くなる。
 他方で、どんな作品が生まれるのか、作者すら予想ができず、未知への創作の楽しさがある。

 写真モデル・森川詩子さんから、マドンナの名まえは「夢子」で、詩人で、ファンタジー小説という希望が出された。ファンタジーは、私にとって新しいジャンルだ。3回連載を想定したうえで、3ヶ所の撮影をおこなった。六義園、旧古河庭園、明治神宮などである。

 撮影後のおいて、変更はいつでも、OKだよ、と森川さんには伝えておいた。「鴫野佐和子・しぎの さわこ」という名の変更があった。佐和子となると、純日本的であり、ファンタジー小説として似合わない。ミステリーに切り替えた。そのうえで、私の得意とする「山岳小説」の土俵で展開することに決めた。


【詩人について】

 詩集は本ものを使いたかった。旧知で、3、40歳代のころともに学んだ、詩人の小林陽子さんにお願いした。いま長崎在住の彼女は、「わたしの詩で、どんな小説ができるのかしら。お手並み拝借」と揶揄もあった。

 作品集が送られてきた。詩の全文を掲載すると、小説が間延びするので、部分抜粋とした。むろん、修正はしないことが条件だ。


【作品のあらすじ】
 蓼科スキー場で、5歳の女の子が誘拐された。所轄の警察署は山岳遭難扱いだった。事件は表に出ないまま、20年の歳月が経つ。時効が成立している。

 元大使の娘で、詩人の鴫野佐和子の記憶から、2週間の軟禁場所は八ヶ岳の主峰を越えた、標高2400メートルの冬季無人の山小屋だった。蓼科からだと、ベテラン登山者でも最低2日間はかかる。雪峰が吹雪けば、さらに日数を要す。犯人はどのように5歳の少女を連れ去ったのか。

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秋のジョギングは快走。都議員には東京マラソンの参加者枠があるの?

 彼岸が過ぎた。最高気温は猛暑のピークに比べても、10度近くも一気に下がた。市民ランナーにとっては練習量が増える、快い走りができる季節だ。

 一級河川・中川の土手には、彩の花が咲きはじめた。真っ赤な彼岸花が左岸の土手にずいぶんと目立つ。昨年は数輪ていどだった。ことしは群生している。繁殖力の強い植物なのだろう。alt=

 秋の虫たちはそれぞれの楽器を奏でる。耳にも心地よい。川面をなでてくる秋風が、汗ばむ肌に優しい。とくに、川沿いの夕暮れは情緒ある。

 ふだんはジョギングの速さで、中川の奥戸橋と平和橋を回るコース(3.5キロ)を3周する。10キロがふだんの練習量だ。一週間に3、4回と不本意な回数だ。そのうえ、最近はロング走にすっかりご無沙汰だ。

 走りたい気持ちは十二分にあるが、時間が割けないのが実態だ。強引に時間を割くには、フルマラソンの大会にエントリーすることだ。


 09年東京マラソンには、今年も申し込んだ。過去には2度も外れている。フルマラソンの部は、定員3万人に対して、申込者数 22万6378人だ。7.5倍だ。くじ運は悪いほうだし、当選の予感すらない。気力はいま一つ乗らない。
 
  2007年は定員2万5000人に対して、申込者数は 77,521人で、3.1倍
  2008年は定員2万5000人に対して、申込者数は13万0062人で、5.2倍

 ネットで出場を申し込んだ折、主催者のアンケートがあった。「申込み回数(抽選外れ)を優先するべきか」という趣旨のものだ。巷には選考にたいする不公平感が漂いはじめている。それらを意識しているな、と類推できた。

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