「走るぞ」。気合を入れたら、強い雨風だった。
東京マラソンまで、残すところ2ヶ月を切っている。大会を視野に入れると、ロング走やスピードなどに練習不足がある。そこに焦りを覚えてしまう。
急激な練習量アップは、からだに大きな負担を与える。故障の原因になりやすい。それが怖い。両膝と、左右の踵(かかと)が鬼門だ。過去には足を痛めて、階段の上り下りなど、一歩ずつ顔をしかめるほど激痛に襲われたことがある。そうなると、短期間には回復せず、東京マラソンの出場すら危ぶまれる。
練習不足のまま大会当日を迎えたら、これも悲しい結果になる。
1月30日と31日は、『走るぞ』と気合を入れた。取材など予定はいっさい入れなかった。ところが皮肉なもので、30日朝から、低気圧の通過で、東京は強い雨風となった。「何で、こんな日に雨なんだよ」と天を恨む。1日のなかで雲の切れ間がないか、と期待してみたが、虚しかった。
他方で、これだけ強い風雨ならば、天気予報以上に低気圧の通り抜けは早そうだ、と想定した。
31日の午前中も雨脚が強かったが、午後になると、想定通り、小雨になってきた。「走りはじめて身体が温まれば、多少の雨は問題ない」と、ジョギングの身支度をはじめた。膝の安全を保つために、シューズは底の厚いものを選ぶ。