写真と小説の類似点を見つけた
PJニュースの記者仲間で、コマーシャル写真家の池野徹さんに「写真の上達法」を聞いたことがある。「良い写真をたくさん見ることだよ。そこに尽きる」という一言だった。
良い写真となると、写真展や個展だ。そこまで足を運ぶ余裕はなく、2年ほど経った。この間に、せめて写真雑誌、駅ポスター、写真コンテストの受賞作品などは意識してみるようにしていた。
今年7月の東京都写真美術館において、「世界報道写真展」が開催された。朝日新聞文化事業部の協力を得て、3年ぶりの取材をおこなった。この折、同館・広報とのパイプができた。案内をいただける、プレスギャラリー(報道関係者の公開)には積極的に参加している。
新聞、雑誌、TV関係者をまえにして、同館の学芸員から専門的な説明がある。聞きながら著名な写真家を観る。学ぶ点が多い。
稲垣功一の写真「心の眼」、北島敬三「コザ/東京/ニューヨーク/東欧/ソ連」では街のスナップショットが中心だった。
いま開催中の『旅』3シリーズ「異邦へ 日本の写真家たちが見つめた異国世界」は、著名な木村伊兵衛さんたちの海外のスナップが中心になっている。風景写真や記録に終らず、そこに生きる人物を上手に捉えている。
小説づくりも、写真撮影も、人物を描くことでは共通しているな、という思いを強く持った。一つの作品(単一写真)のなかで、いかにテーマの絞込み、ストーリーを作るか。これが写真撮影のコツだ、と考えた。
このところ写真への興味が強く、ふだんの私は作家的な視線よりも、カメラ的な目で、街や人物を見ていることが多い。と同時に、写真活動の幅を広げたい、という意欲から、今年9月に「社団法人日本写真協会」に入会した。同会員から、より多く学びたいと思っている。
写真:東京写真美術館の「旅」シリーズ、第2部「異郷へ 写真家たちのセンチメンタルジャーニー」の展示で