大荒れの日本ペンクラブ・総会、作家たちは歯に衣を着せず(下)
昨年9月には国際ペン東京大会が25年ぶりに開催された。総額2億円の支出があった。成功裏に終わったが、会計処理において、大きな汚点となる、簿外口座の存在があった。さらには予算超過でも理事会の承認もなく進んでしまった。
執行部は最近まで、簿外口座の報告もなく、その存在を知らなかった。この体質にも問題がある、と会員からは総会で厳しい追求となった。
公認会計士の調査によると、簿外口座による(個人的な)不正はゼロ。だが、今後において、この体質は問題が多い、と指摘された。
国際ペン東京大会の文学フォーラムでは、広川隆一さんの「人間の戦場43年」が早稲田大学小野梓記念館で開催された。
総会で、広川隆一さんが「会計処理が曖昧」と噛みついた。
故立松和平さん(当時・平和委員長)から平和委員会企画写真展を持ち込まれたとき、「予算がかかると開催が難しい。最小限の予算でやれないか」と要請された。立松さんは故人となったが、その意思を受け止めて「私は切り詰めて、人を介して展示経費を削りに削った、100万円以内で実施にこぎつけた」という。
ところが、収支報告書には約一千万近い金額が掲載されていた。それを問うと、「日本ペンクラブの歩み」750万円が合算された処理だった。
「こちらの展示は業者任せ。金額があまりにも違いすぎる。そのうえ、会計処理が大づかみすぎる」と怒りの口調で責めた。
他の複数の質問者からは、「謝罪のみだけではだめだ、ばら撒き体質を作り直すことだ」と迫った。実例として、「使った業者のアルバイト代が一人3万円、残業代が5000円。こんな経費をノーチェックで認めている。日本ペンクラブは会員の会費でまかなわれている、という認識が薄すぎる」と言い、体質改善を求めた。