美人ストリッパー(作家)と文学談義で盛り上がる=スカイツリーで裸身を
日本ペンクラブ主催「ペンの日」のパーティー会場で、作家・高橋克典さん(日本作家クラブ専任理事)から、ふたりの女性を紹介された。高橋さんが主幹する同人誌『ZOWV・ゾワヴ』のメンバーである。私は前々から、「同人の在日の金子京花さん、もう一人は牧瀬茜さん。2人の作品の講評をしてあげてほしい、将来性がある人だから」と高橋さんから言われていた。
同パーティー会場で、初顔合わせだった。
牧瀬茜さんの名刺には、『表現者・ストリッパー・作家』と表記されていた。ペンネームは「時羽七知」である。元ストリッパーなのかな、と思った。現役で、とても売れっ子で、追っかけがいる。この道ではとても有名だと、金子さんが教えてくれた。
私の受講生だった純文学作家を目指す女性が、ストリッパーを取材し、それを作品化していた。それを思い出し、話題にしてみた。
『売れない二〇代の女性ストリッパーが、ヒモの男性と暮らす。舞台でぺちゃな乳房を侮られても、生きていくためには、劇場の便所掃除婦へと落ちていく。座長の人間性もよく書けていた』と私は説明した。
その作品を読んだときには、すごい取材をするものだな、と感心させられた。ある文学賞の選考の上位まで行っている。
「狭い世界ですから、誰に取材したか、それがわかれば、顔はわかります」と牧瀬さんが話していた。
PENのパーティーが終われば、決まって二次会だ。高橋さんとは出版の用件があるので、小中さんグルーブのメンバーとともに、東京會舘に近い居酒屋に行った。
牧瀬さんを中心に盛り上がった。彼女は「ストリッパーに誇りを持っています」と堂々と話す。父親がTVの放送作家だった。元NHK・小中さんは番組名から、わかったようだ。
彼女がこの道に入った動機を話す。路上でアクセサリーを売っていたある日、ストリッパーの人が買ってくれた。劇場に観に行くと、気持ちよく、美しく脱いでいた。これは私に似合った職業だと一瞬にしてひらめいたという。
日本中の劇場で、ストリップで表現する、職業の魅力を語る。彼女には自信と誇りが満ち溢れている。私がイメージしていた暗さ、引け目など、みじんもない。からだで芸術を語る。すごい価値観だと感慨を覚えた。