第69回・元気に100エッセイ教室=上手い文章は音読で決まる
『良い文章は密度が高い』
それは詰め過ぎとはまったく違います。むしろ、正反対です。最も良い文章とは、簡素で、平明で、的確です。それには「省略、圧縮、刈り込み」とで成されていくものです。
推敲の段階で、作者がセンテンスごとに目を光らせ、無駄な文字の刈り込みが行えば、読み手にも負担が少ない文章になります。良いリズムで読み続けられる作品にもなります。
どうすればよいか。技法としては「庭園の庭師」を真似るとよいのです。
庭師はまず庭全体を眺めてから、一本ずつ樹の大枝を鋸で切り、形を整え、次は小さな枝葉までも、鋏でていねいに刈り取ります。その上で、最後は松葉一本でも、不ぞろいを見逃さず、指先でミリ単位で摘み取ります。すると、どの樹も形の良い庭木となり、庭全体のなかで調和がとれているのです。
『文章の庭師』
この手法で臨むとよいのです。書き上げた作品は、全体の構成から、冗漫な文章はまず剪定するのです。そして、次は圧縮と省略を行う。さらには無駄な一文字でも見逃さず、刈り込む。
こうすれば、一つひとつの文章には味が出て、全体のなかで、どれもが必要不可欠な用語となります。
『省略、圧縮、刈り込み』
そのの最大のコツは音読です。
作品の推敲は、ただ目で追う黙読だけだと、作者の思い込みで、キズや不自然な文章までも見逃してしまいます。
