高齢者にも応分の会費負担を。総会は波風立たず=日本文藝家協会
5月14日、日本文藝家協会(篠弘会長)の第67回総会がアルカディア市ヶ谷(私学会館)で、午後3時から開催された。
同協会は、文学者たちの生活権をまもる職能団体で、会員の平均年齢は66歳である。ここ1年間の新入会員の平均年齢は57歳である。
会員にはどんなメリットがあるのだろうか。おもなものは著作権の管理運営を委託できる、文藝国民健康保険に加入できる(人間ドックが受けられる)、御殿場の富士霊園の「文学者の墓」(墓碑に、作家名と代表作を刻む)が購入ができる。この霊園は多くの文学ファンに人気がある。
むろん、ほかにも職能団体としてメリットはある。
「思想信条の自由を守る」という活動をメインおいた、日本ペンクラブとは体質が異なる。
日本は高齢化社会である。同協会も多分にその渦のなかにある。総会では若返りを図るために、入会金を5万円から3万円に下げた。他方で、「高齢の会員にも、一部会費の負担をお願いしいた」と執行部が提案し、85歳以上の方の会費の無料が、今年度から半額徴収(1万円)と決まった。とくに、反対意見は出ず、すんなり決まった。
総会に先立って、1年間で亡くなった会員59人のお名前・死亡日が1人ひとり読み上げられた。『人間老いて死ぬ』それは避けられない。安岡正太郎さん、丸谷才一さんの名が出てくると、私は若いころ文体を勉強させてもらったな、藤本義一さんは私が受賞した文学賞の選者だったな、とあれこれ想いが甦る。そして、1分間の黙とうになった。