第1回ステーションライブ・秋葉原で、川島由美が懐かしの曲を歌う(上)
5月24日、JR秋葉原駅構内の2階コンコースで、生演奏の音楽が流れていた。利用客が足を止めて演奏に聴き入る光景があった。それは第1回「駅ライブ・イン・秋葉原」(Station Live in Akihabara)で、主催はJR東日本だった。
主催者側の説明によると、JR秋葉原駅の生演奏は初めての試みであり、今後は月1回ほど開催したいと話す。東京都内でも乗降客の多いターミナル駅で、こうしたライブは東京駅に続くものだという。
過去の日本国有鉄道時代を知る人たちにとって、4月、5月はじつに憂鬱(ゆううつ)だった。賃上げ闘争にからむ順法闘争で、乗客に迷惑をかけっ放し。通勤・通学の時間帯の満員の車内で、乗客は定刻通りに走らない電車にイライラし、ストレスがたまる一方だった。
民営化した以降のJRには、乗客を大切にする考え方が浸透し、私鉄・地下鉄との競争激化から、より高いサービス向上をめざす。従前は駅構内の人の流れをいかにスムーズに流すか、そこに趣きがおかれていた。、現在は快適にも駅を利用してもらう発想から、構内でイベントがあちらこちらで行われている。
『駅ライブ・イン・秋葉原』のメインテーマは「心躍る時間をあなたに」である。足を止めて愉しんでも乗らう。まさに隔世の感がある。
第1回は12時から17時まで、全4ステージを行う。各30分毎だった。
STAGE1 『Dot & Line』(ドット アンド ライブ) NHKラジオなどに採用されているオリジナル曲
STAGE2 『川島由美』(ソプラノ歌手) 弾き語りスタイルで、ピアノを弾きながら世界の名曲を歌う
STAGE3 『TOMA』(トマ・苫米地義久) 自然派サックス奏者で「人がやさしく元気になる」ソロ演奏
STAGE4 『沙羅璃』(しゃらり) 津軽三味線とバイオリンの和洋の楽器によるコラボレーション
ステージの演奏者たちはすべて『東京都ヘブンアーティスト』(東京都の審査会に合格したアーティストやパフォーマンス・芸人たち)である。
司会の田中杏奈さんは、「曲がはじまると、年齢や男女を問わず、多くの人が集まってくれました。聴き入る皆さんが心から楽しんでいるのが、伝わってきました」と話してくれた。
STAGE2のソプラノ歌手の川島由美さんから、話を聞くことができた。曲目としては、『あの素晴らしい愛をもう一度』、『 琵琶湖就航の歌』、『四季の歌』、『みかんに花咲く丘』とつづく。なじみのある曲ばかり。駅構内のお客さんは、親しみをもって聴くことができたようだ。
川島さんには演奏者の立場から、感想を聞くと、
「秋葉原駅のコンコースが広く、足を止めてくださった聴衆が多くて、気持よく、弾いて歌えました。心がかるく演奏できました」
と心境を語ってくれた。
音楽人生まで語ってもらうと、川島さんの意外な面が発見できた。
【つづく】