A030-登山家

全国「山の日」フォーラム:みんなで山を考えよう(1)=東京・有楽町

 2016年8月11日から、国民の祝日が増える。それを記念した全国「山の日」フォーラムが、東京・有楽町の「東京国際フォーラム」で開催された。メインテーマは『みんなで山を考えよう』で、3月28日(土)、29日(日)の2日間にわたる。
 主催は全国「山の日」フォーラム実行委員会(磯野剛太事務局長 写真・奥)である。

 ミス日本「みどりの女神」の佐野加奈さん(静岡出身・東京農業大学)が各イベント会場を廻っていた。


 初日の28日(土)は10時から、特設ステージで、トークショーが開催された。トップバッターの司会者は8000メートル高所登山家で名高い近藤謙司さん、モデルのKIKIさん、花谷康広(山岳ガイド)とあって、開始時間にはすでに長椅子がいっぱいだった。近藤さんの歯切れのよい口調で、山のエピソードをくり広げていく。

「ぼくは4000メートルの山に行ったら、もうちょっと高い山と5000メートル、いつしかエベレストに何度も登っていた」
 近藤さんは高所登山家になったプロセスを紹介してから、KIKIさんに登山好きになった、山との出会いを訊ねた。
「登山歴は9年です。最初は八ヶ岳の赤岳に登りました。赤岳鉱泉小屋が、きれいで素敵でした。登攀(とうははん)中は霧で視界がなく、山頂に着いた途端に、パッと晴れて、見事な景色で、その感動から一気に山好きになりました」
 彼女はそう語ってから、子どもの頃に両親がキャンプなど、アウトドアに連れて行ってくれた。そこに山好きになる下地があったと思う。

 左から、花谷康広さん、KIKIさん、近藤謙司さん、


「赤岳の山頂に来て見て、自分の脚で登れて感動できた。もっと行かないともったいないと思いました」
 彼女はその後、アイガーに登ったり、TVの登山番組に出演したりするなど、現在の活躍ぶりがモニターで紹介された。

 花谷康広さんは、子どもの頃の体験で、
「小学生の頃、六甲山キャンプに一人で参加し、『ひとりできたの、先生が友だちになってあげよう』と言われました。その初対面の先生との出会いが、山好きになる、大きなきっかけになりました」
 家族、友だち、先生との絆を考えてみる。そうした祝「山の日」であって欲しい、と花谷さんは強調した。



 エキシビジョンゾーンでは自治体、企業、山岳団体などのアピールブースがあった。登山、ハイキング、スキーなどに関連する、最新情報が得られるので、山ガール、中高年登山者などで賑っていた。それぞれがブース担当者から、ウェア、ドリンク、地図などの説明を受けていた。
 「山の日」クイズラリーが行われていた。ザックや各地の名産品、招待券などが当たるので、若者たちの参加が目立った。


 コンベンションゾーンでは、スチール映像『上高地』が上映されていた。
「人間の手で作りだせない山がそこにある」
 その語りから入り、春夏秋冬の上高地、穂高連峰などを紹介していく。猿、かもしか、小鳥、花、雲、清水、奥宮例大祭など一つひとつていねいに優れた美の世界で追っていた。そして、山に魅せられた登山者の姿を伝える。

「真夏でも雪が消えない。雪渓を渡る風が、夏山登山の人たちを迎える。まばゆい山の輝きで、夏の1日がはじまります。」
「清冽(せいれつ)な水は、山からの恵みである。動物、魚のみならず、人間にも生命の水である」
「紅葉が穂高連峰の山の表情を変える。美しさが短いほど、一瞬の輝きは増す」
 ナレーションには、巧い表現が実に多かった。

 初日の午前中の2時間はあっという間に過ぎた。午後からはシンポジウムがある。

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