北アルプスの名峰・奥穂岳に登る(上)=3190mの山頂を目指す
更新日:2011年9月15日
梓川の朝は、霧雨で、幻想的な世界を作り出していました。
上高地から明神、徳沢、横尾にきた。登山道に入ると、道幅は狭まる。
やがて、本谷橋の、細いつり橋を渡る。雨にぬれた橋床は滑りやすく、慎重に渡る。
涸沢小屋で一晩を越すと、台風一過のさわやかな秋空の気配が広がっていた。
涸沢カールに、穂高連峰が顔を出してくる。
涸沢カールの岩の急斜面を登る。
高山植物の宝庫。山稜と雲とのコントラストが楽しめる
雲が切れて、奥穂高岳が姿をしっかり見せてきた。標高2700メートルを超えると、登山者の息切れが激しくなってくる。
北アルプスの山岳の魅力は、岩稜と雲の豪快さである。
3000メートルの山はすべてが鋭く屹立(きつり)している。雲の動きで、山の表情が違ってくる。
仰ぎ見る、涸沢岳と北穂高岳を結ぶ稜線は、人を寄せつかないように、鋭く天に突き刺さっている。
3000m級の高所にも、山イチゴが育っている。生命力の強さを感じさせる。
穂高小屋が見えてきた。主稜で、登山者を迎えてくれる。早く着きたいと焦ると、顎が上がり、疲労が激しくなる。
奥穂高岳に向かって、垂直の岩場に取り付く。足下には、穂高山荘の屋根が見せる。
梯子(はしご)と鎖の岸壁を登らないと、奥穂高岳の山頂にはたどり着けない。過去から、最も事故が多かった場所である。
岩場の難所を越えてふり返れば、涸沢岳のかなたには、なつかしい槍ヶ岳が顔を見せていた。
前穂高岳から登山者がやってくる。
3190メートルのピークは、日本で3番目の高さである。
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