日本山岳会・「101会」に入会
日本山岳会は一昨年、創立100周年を迎えた。『日本山岳会百年史』の発刊と、皇太子殿下(会員)も参加した盛大な記念式典が行われた。翌年に入会した会員たちが、「101会」(諏訪吉春代表)を立ちあげていた。そのメンバーは国内登山およびネパールトレッキングで活躍している。
今年度の日本山岳会通常総会が、19日、麹町の弘済会館で開かれた。引きつづく懇親会で、「101会」の存在を知ったのだ。
日本山岳会は毎年、新入会者にオリエンテーリングを行う。全国から新会員が東京に集まる。そして、活動が紹介されるのだ。この日に、「101会」が結成されたという。
私は他用で、オリエンテーリングに参加できなかった。それゆえに日本山岳会の活動に参加する機会を失っていた。他方で、上村信太郎さんとは懇意にできたし、あるていどの満足感はあった。
同期の「101会」を知ったからには、入会を申し出た。呼吸の合いそうな、いい山仲間を見つけたいという気持ちがあった。それが一人でも、二人でも良い。
日本山岳会・懇親会(平山前会長)
6月6日の定例会議に参加してみた。同会の代表から、参加者の名前と役割が紹介された。最も驚かされたのが、『101会の規約』だった。第1条から第16条で、条項のなかには細則もある。そのうえ別途に、「行事実施規則」が手渡された。生命保険証書の裏面、ネットのインストール前の同意書が脳裏をよこぎった。
(山に登るのに、こんな規則がいるの?)
文筆人間は常識とか、拘束とかを最も嫌う人種だ。場違いの会に飛び込んだ心境だった。流れる議事を耳で聞きながら、それでも目では一通り規約を斜めに読んでいた。最終的にはすべて『自己責任』に凝縮されていた。インストール前の同意書にONするように、迷惑をかけなければ良いのだ、と自分を納得させた。
『101会の』の定例会議の終了後は、恒例の飲み会だという。13人(うち女性2名)が参加。山歴は個々に聞けなかったが、大半が若い頃、大学山岳部、社会人山岳部などで活躍し、海外遠征の経験もあるようだ。体育系だから、規約とか、ルールが好きなのかな、と自分を納得させた。
この日は六大学野球で、早大が慶大を破って優勝した。酒が盛り上がると、話題が出身大学になった。早大の商学部出身者がこの場に三人揃った、となりの席が慶大ばかり、それに東大卒がひとり、と説明を受けた。
文筆の人間には学歴などまったく無関係。中卒から大学院卒まで幅が広いし、作品勝負の世界。およそ学歴の話題など出たためしがない。異次元の世界に入った心境だった。
「どこの学校ですか」と聞かれた。
(山の登るのに、なんで学歴が必要なの?)
木の江小学校卒(広島県)と答えようと思った。
茶化すようで止めた。なぜ、自分がセーブできたのか。山の友は一生ものだ、「101会」に良い出会いを期待する自分があったからだ。