A030-登山家

今年の夏山登山

 北アルプスには登ってみたい。『どこの山』という自問してみると、これぞ永年の夢だったという、登りたい山岳はないものだ。過去に登りすぎた反動か。それとも、挑戦する登攀の技術がままここまでか、と達観したこともあるだろう。 
 日本山岳会のメンバーだから、上高地宿舎の利用。そのあたりから入ってみるかな。夜に語り合える、登山仲間が見つかるかもしれない。
 

 決まっている予定としては、肥田野さんとは大菩薩峠の高山植物を観に登る。夏場の穴場が、大菩薩というのが私の持論。肥田野さんには色彩豊かな花を楽しんでもらう。
 植村さんとは登山文学を語りながら軽いハイキング。こちらは下山後、天狗という居酒屋で呑みましょうと、山よりもそっちが決まっている。
 ライフ山岳部はことしの夏合宿は甲斐駒らしい。新しいルートだから、そっちも楽しみにできる。
 北垣さん(山歩会)の快活、ユーモアのある車中の会話を楽しみに、参加してみたい。ふだん執筆で寝る時間が夜明け前。北垣さんの登山開始がその時間だから、こちらの身体のリズムはいつも狂いぱなし。ただ、あまりむずかしい山ではないので、寝不足登山でいこう。
 その実、夏山登山はあまり好きじゃない。過去には雷の恐怖に何度も遭遇したから。これも欲張り登山で、いつも日没後まで歩いている、登り方にある。この習性があるかぎり、時間的にも雷に遭ってしまうのだ。
 雪山ならば、滑落してもピッケルで止められる。安心だ。いまから気持ちは雪の谷川岳連峰、八ヶ岳へと向かい始めている。

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