銃撃で拿捕された漁船員が、根室花咲港に帰港した
かつて根室、花咲港、釧路、函館に出向き、北洋漁船の口の重い船員や家族から取材した。それを小説化した作品『潮流』が第七回いさり火文学賞(北海道新聞社)を受賞。同新聞に、15回にわたって連載された。
ソ連時代に抑留された漁船員、カニ密漁の特攻船に乗り込み荒稼ぎした船員、ロシア国境警備隊の警備艇から銃撃を受けた船員。かれらは口をそろえ、家族のために、国境が確定されていない危険な北方領土の海域に出ているといった。そのうえで、つねに生死をかけた操業を強いられていると語ってくれた。
小説『潮流』はかれらの話しを随所に取り込んでいる。 拿捕事件があると、かならず家族の悲しみがある。今回の事件を契機に、漁船員や家族の姿を知ってもらうために、『穂高健一ワールド/小説家』のコーナーで、『潮流』を全文で公開することにした。
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