フリーターたちよ、胸を張れ、大いに発言せよ
会社の正社員でなく、臨時採用者の2、30代をフリーターと呼ぶ。定職を持たず、転職を重ね、プラプラしているイメージ、あるいは堕落的な概念で、メデアで取り上げられることが多い。
江戸時代には藩主の下で、家臣として生涯忠義を尽くし、使える。こうした人物が最も尊ばれた。他方で、脱藩した素浪人はさげすまれた。現在に置き換えると、学校を卒業し、企業に正社員として就職し、終身雇用の下で、永年使える。これら正社員が社会の正統派だと思われている。
諸般の事情から高校や大学を中退したり、あるいは勤めた企業を辞めて、一時的に職を得ているフリーターを『落ちこぼれ』という目で見る風潮がある。
かれらフリーターの実態が正確に伝わっていない。他方で、かれらには社会に向かって発言する場が少ない。正面から真摯に取り上げるメディアもほとんどない。
そこで豊島区在住のフリーター3人に、PJニュースで実名で、写真を載せる、という条件の下に集まってもらった。男性2名、女性1名。かれらの考え方、生き方、目標、さらには現代社会をどう見ているか、率直に語ってもらった。
3人の話しを聞くかぎり、それぞれが夢や希望をいっぱい持ち、スパイラル・アップしていく意欲に満ちていた。まさに目標に邁進していく姿があった。
ふと、こう思った。土佐藩を脱藩した坂本竜馬は浪人者だったが、封建体制の徳川幕府打倒の道を切り開いた。現代に置き換えると、既成概念のうえに胡坐をかく正社員は、まさしく幕藩体制の藩士だ。おおきな変化や変革を起こさず、望んでいない。すくなくとも革命的な行動力などもち得ないだろう。
日本の政治、文化、音楽など、あらゆる分野で、このさき既成概念を打ち破り、まったく新たらしいものを創造する。それはフリーターではないか、と思った。あながち間違っていないだろう。