ジャーナリスト

「ヨタロウ会」の忘年会は、出版記念会を兼ねる?=神田

 小中陽太郎さん(日本ペンクラブ・理事)の支援者たちの集まりが「ヨタロウ会」だ。その忘年会が12月27日(土)夕刻6時半から、千代田区内神田の居酒屋『樽平』でおこなわれた。幹事は瀧澤陽子さん。
当初の予定(25人)を越え、出版関係者、作家、ライター、日本ペンクラブの幹部など約35人が集まった。

 小中さんは東大卒で、NHK(ディレクター)を解雇されたあと、市民活動や文筆に身を投じてきた。現在は大学教授。気さくで、笑顔の素敵な人である。今年11月20日に講談社から『小田実と歩いた世界』を発行した。「市民たちの青春 ベトナム戦争を止めようとした男」というサブタイトルがついている。
 
 べ平連代表だった小田実さんが、07年7月に死去した。小中陽太郎さんが「小田実さんの素顔を書き残したい」とペンを取ったものだ。

 同書に登場する、べ平連の関係者は多岐に渡っている。本の発売と同時に、ブログなどを通じた反響は大きいようだ。人それぞれ見方が違う、考え方も違う。当時の市民運動の捉え方も違っていたと思う。「絶賛する人もいれば、些細な事実の違いを大げさにいう人もいる」、と小中さんが挨拶のなかで、語っていた。

 同書を読んで感銘した人が、忘年会に駆けつけていた。版元の講談社・出版部長・三ッ間詳二さんも参加する。まさに出版記念会の雰囲気だった。とくに同書に登場した人たちは、1分間スピーチという時間制約を超え、それぞれがべ平連の思い出やエピソードを披露していた。

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Xmasイブは、報道写真展とチャリティー・コンサートで

 12月24日のXmasイブは、楽しみながら、HPの取材と決め込んだ。朝日新聞のコラムで知った、日本橋・三越の本館7階で開催中の「2008年報道写真展」(無料)をのぞいてみた。大地震や集中豪雨などの痛々しい現場、華麗なスポーツの美、動物の世界など多彩な写真が数多く展示されていた。

 さすが選ばれた写真だ。迫力あるすさまじい写真が多く、幾つも感動させられた。他方で、ポートジャーナリストが事件・事故の現場をどのように捉えるか、どんのような切り口から伝えているか、その面からも参考にもなった。
 同展には、望遠カメラの実物が展示されていた。連写のシャッター感覚が楽しめた。

 夕刻6時には、六本木ヒルズ内、テレビ朝日「umu」に出むいた。Xmasイブの特別企画、動物愛護のクリスマス・チャリティー・イベント『Animal Protection Activity』が開催されていた。ライブ音楽は「沢村まみ・ボーカルグループ」のジャズ・ミュージックだ。出演者の沢村まみさんから、案内をいただいていた。

 同グループは、11月27日の仏教音楽祭で第1位を受賞した。その作品、『君はひとりじゃない』は聞くほどに、これはヒットするな、と予感がはたらく。会場では沢村まみさんと挨拶ができた。
 PJニュースの音楽祭の記事が気に入ってくれていた。パソコンを持たない人にプリントして渡しています。「先般、ラジオに出演したときに、記事を紹介させていただきました」と話す。書き手としても、冥利だった。

 ジャズは好きだし、クリスマスソングだけに知っている曲が多く、ドリンクを飲みながら、快い時間を過ごせた。ふだんの忙しい取材でなく、リラックスした、Xmasイブを楽しむことができた。

 六本木けやき坂のイルミネーションをも楽しむことができた。

推量小説作家・新津きよみ著『トライアングル』がフジTV・ドラマで放映

 11月26日は、「ペンの日」だ。東京會舘(千代田区)のローズ・ルームで、約300人ほどが参加した、親睦会がおこなわれた。日中文化交流の代表団も参加していた。

 広報委員会の仲間数人がいつも一つテーブルを囲んで快談している。同委員の新津きよみさんが、「私の推理小説「トライアングル」(角川書店刊)が原作で、フジTVの火曜日夜10時から放映されるの。スタートは1月6日からで、3月まで」と話す。


 彼女には「どんな内容なの」と訊いてみた。
「ことばで説明するのはむずかしいわ」といいながらも、国際刑事警察機構(ICPO)の捜査官が帰国し、警視庁に勤務。彼は医師のライセンスを持つ。さかのぼること25年前、彼が10歳のとき、同級生で初恋の女性が誘拐されて殺された。迷宮入りになり、時効が成立している。ここからドラマが始まる、と説明していた。

 関西テレビ50周年記念のドラマで、出演者は江口洋介、広末涼子、稲垣五郎、北大路欣也など。原作は20年前だけど、江口洋介の実年齢にあわせたらしく、25年前に替わっている、と教えてくれた。

 新津さんの実父は長野県の医者で、県警の監察医でもある。だから、ICPOの捜査官が医者というシチュエーションの作品も書けるのだろう。同書は9月からソフトカバーで販売されているが、来月からはドラマ化という帯を付けてくれると、話す。

 日本ペンクラブ・阿刀田高会長がやってきて「TVドラマは、原作はずいぶん変えられるんだよね」と話しに加わっていた。(右)

 写真左は、広報委員会・副委員長の鈴木康之さん(編集担当)。

伝統職人(47師)の宝庫に住みながらも

 葛飾区には『戦後』という街はもう見当たらない。戦後から一筋という伝統工芸の職人は多い。現在47人が活躍している。国宝級のひともいる。

 終戦直後からの華やかな、最も発達した町は立石だった。葛飾の中心で、葛飾区役所がある。メインの街なのに、いつのころからか京成立石駅には特急が止まらなくなった。
 渥美清さんの「寅さんシリーズ」の映画が上映されると、柴又人気が急上昇した。葛飾を代表する町に思われはじめた。

 私はそのころ全国に旅行する機会が多かった。問われて、東京・葛飾に住むといえば、きまって「柴又ですか」と聞かれた。面倒になって、そうですよ、と言いたいが、「いいえ、立石です」としっかり否定してきた。相手はとたんに興味がそがれた顔をするのが常だった。

 妻の母方の実家が葛飾・柴又だから、決して無縁ではない。だが、葛飾立石にこだわり続けた。いまや寅さんブームが去った。葛飾・立石は『昭和の残る町』として息吹を取り戻してきた。

 PJニュースを書きはじめてから500本を超えた。地域、分野を問わず、自分の知識や活動の領域を広げるつもりで、記事を書きつづけてきた。初対面の人から話を聞くのが好きだから、インタビュー記事も積極的に取り組んできた。他方で、葛飾の地元関連の記事が少なかった。

 地元から目を逸らしていたわけでない。写真エッセイ『東京下町の情緒100景』を執筆し、そちらを中心に回っていた。100景が達成した頃から、葛飾発の記事も積極的に書こう、と決めた。
 それが昨年末で、立石仲見世の凧の取材記事を書いた。これが縁で、仲見世の理事の方々に同事務所に集まってもらい、将来を語る座談会を開いてもらった。それを連載した。

 京成立石駅から2分のところに、葛飾区伝統産業職人会の会館がある。伝統工芸品を売っている。訪ねたことはなかった。身近でいつでも取材できるという立地のよさから遠い存在だった。

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『ルーズベルトの刺客』・マヌエラ追悼公演を観て

 今年2月ごろ新宿で、永島直樹さんから、「秋には西木正明さん(直木賞作家)原作の芝居をしますから、ぜひ観にきてくださいね」、といわれていた。それから月日が経ち、すっかり忘れていた。『良い芝居になりそうです、ぜひよろしく』という文面を添えた案内状がとどいた。

 題名は『ルーズベルトの刺客』で、原作・プロデュースは西木正明さん、演出・脚本は永島直樹さんだった。劇場は新宿御苑前のシアターサンモール。サブタイトルに、「マヌエラ追悼公演」とあった。どういう人物なのか、男女もわからず、さして気にもとめていなかった。

 舞台は第二次世界大戦前の上海租界の社交クラブだった。各国の思惑が入り乱れたスパイ活動、テロ活動が行われていた。「マヌエラ」は美貌とダンサーとしての輝きから、各国スパイの憧れの的だった。彼女は秘密のベールに包まれ、素性が知れなかった。劇が進行するうちに、初代・水の江滝子が上海で「マヌエラ」という名で活躍していたとわかる。

 当時の日本軍が上海在留のユダヤ人に軍事訓練を施し、アメリカに渡らせ、ルーズベルトを暗殺する。その企てが進行していた。3000年も国土を持たないユダヤ人は、見返りに建国の夢を満州国の一角に抱き、協力する。

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 焼き鳥屋『光っちゃん』で、小中陽太郎さんと2人で語らい

 日本ペンクラブのメルマガで、『ペンの顔』シリーズを書いている。会長の阿刀田高さんからスタートし、専務理事の浅田次郎さん、副会長の下重暁子さんなど、もう10人くらいに及んだだろう。
今回は小中陽太郎さんだ。梅原猛会長の下で、日本ペンクラブ専務理事として、その6年間は中核で運営に携わっていた。現在は同クラブの理事だ。

 先月には「ペン理事会」の後、小中さんのインタビューをおこなっていた。理事会の後は例会で、出久根達郎さんのミニ講演が予定されていた。インタビューはわずか10分ていどだった。『ペンの顔』の記事とするには駆け足過ぎた。記事の内容にはもっと深みが欲しいし、部分的な確認もあり、小中さんには再度インタビューを申し込んだ。

 10月18日の夕刻に目黒駅で、小中さんと落ち合った。駅前の喫茶店に入るなり、小中さんが平賀源内の話題から、オーダーしたばかりのコーヒーを棚上げにし、近くの東京都庭園美術館(旧迎賓館)に案内してくれた。道々、「目黒」の名の由来とか、白金台の江戸時代の史実とか、戦後のGHQによる占領の出来事とか、諸々の話が聞けた。

 小中さんはかつて「鈴木知事に対抗して、東京都知事に立候補を」と押されたという。仲間の小田実さんが立つので、べ平連から2人出てもしかたない、と止めたと語っていた。

 同美術館は5時閉館前だったで、場所の確認にとどまった。目黒の喫茶店にもどってから、小中さんのインタビューに入った。84年の国際ペン東京大会では、小中さんは国際委員長として、大江健三郎さんとともに活躍されている。私からの事前質問の一部に対して、小中さんは三好徹さんに電話で確認されていた。他方で、関連資料をも持参していた。そこには井上靖会長の自筆の書簡があった。

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記念パーティーは、その道のプロ、達人、名人ばかり

 カルチャースクールには多彩なジャンルの講師がいるものだ。フラダンス、陶芸、着物の着付け、詩吟、マージャン、カラオケ、水墨画など、98人の参加者は一人ずつジャンルが違う。珍しい講座も多い。受付嬢から、参加者名簿を手にしたとき、さすがカルチャーだと思った。
  
             

 9月23日、目黒学園カルチャースクール主催による、40周年記念の「講師懇談会」が開催された。場所はカトリック目黒教会で、同学園の第2教室でもある。
 西澤社長は挨拶のなかで、カルチャースクールには3つ多様性があると語った。

    ① いろいろな講座がある
    ② 評価が多様で、輝く人がそれぞれにいる。
    ③ たがいが尊重し、認め合う、という多様性。
「ふだんはバラバラであっても、学園祭や発表会など、何かあれば、一緒にやれる」と、同学園の特徴を語った。
 来賓の小山裕三さん(東京都民間カルチャー協議会顧)が「他の新聞社系のカルチャーへスクールはOBの天下り先で、会社的です。しかし、この学園はちがいます。アットホームな雰囲気で、『目黒さんま祭り』にも参加している。こうした講師の懇親会もおこなっている」と賞賛していた。

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要(かなめ)町の女将は祭りが大好き、粋な姿で神輿をかつぐ

 秋祭りたけなわである。13(土)、14(日)は都内のあちらこちらで、神輿が町内を回っていた。昼間は子どもの神輿、夜は大人の神輿が通り相場だ。

 「TOKYO美人と、東京100ストーリー」の『婚約者は刑事』で、中村裕子さん(豊島区)が猫の写真を提供してくれた。彼女は中華料理屋『博雅(はくが)』の女将さんだ。家族そろって祭り好きらしい。先月末には、14(日)の夕方からは店じまいで、地元『要町三丁目町会』の秋祭りで神輿を担ぐ、という情報を得ていた。


「一年のなかで、もっと楽しみにしている日ですよ」と、義妹の裕実さんが教えてくれた。根っからの祭り好きで、法被が似合うひとだともいう。

 猫の写真提供のお返しで、14日(日)の午後5時から、写真撮影に出向いた。場所は有楽町線・千川駅付近である。中村裕子さんは粋な法被(はっぴ)で、ねじり鉢巻の出で立ちだった。長身だけに、確かによく似合う。夫と末っ子の息子(小学校5年生)と3人で、町内をまわる神輿を担いでいた。

 親子3人で掛け声を上げて神輿を担ぐ姿は微笑ましい。ある意味で、うらやましいかぎりだ。撮影している方も、気持ちが高揚してくる。

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一丁櫓(いっちょうろ)の感動

 私は、瀬戸内海の大崎上島(広島県)の出身である。父親が教員で、この島に赴任してきた。村上水軍(因島)の血筋を引く島娘と結ばれた。その子どもとして私は生まれ育った。
 高校時代までは島っ子だった。夏には全身が真っ黒に日焼けしていた。中学時代の黒んぼ大会で、トップになったことがある。小学校から最大の遊び道具が、一丁櫓の伝馬船だった。


 ジャーナリストとして取材中に、私事にふかく関わる話題が出ることがある。学校や出身地がおなじ、趣味が共通している、身内が近いところにいると、話題として提供したい衝動に駆り立てられる。だが、決して口に出さず、聞き手に徹する。それは長くモットーにしてきた。

  旅先で伝馬船の漕ぎ手をみるたびに、漕いでみたいな、と思う。住まいに近い江戸川の河岸・柴又にいくと、渡し舟の船頭が対岸の矢切(松戸市)にむけて、リズミカルに櫓を漕ぐ光景がある。『やってみたいな』と常づね考えていた。他方で、島を離れてから久しいし、一丁櫓はもう漕ぐことはないのだろう、という思いがあった。

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江戸と東京の大道芸=写真集

 東京・上野の不忍池・池畦『みずどりのステージ』で、7月23日18時半から、「江戸と東京の大道芸」が開かれた。江戸時代からの大道芸、TVで活躍する芸人たちが舞台で、愉快に演じ、楽しませてくれた。


 同月19日に、「うえの夏まつり」のパレードの取材に出向いた。弁天堂で、福岡詩二さんと会った。夏のイベントの幾つかの招待を頂いた。取材活動をしていると、人脈が広がり、大道芸人の方々とも、親しい間柄になる。それぞれから話が聞ける。他人(ひと)を笑わせる。その一芸に身を投じてきた人たちだけに、人間的な魅力がたっぷりだ。

今回は写真で、芸人たちの魅力を紹介したい。

佃川流大江戸玉すだれ『佃川燕也一門』 (右上)


         
津軽三味線『大内和己』 (上)


居合抜き『柳亭風枝』(右上)
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パントマイム『京本千恵美』(上)

    江戸大神楽『丸一仙翁社中』(右)

大正演歌『福岡詩二・詩乃里』


和太鼓『和太鼓 飛翔』(右)

 

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