A010-ジャーナリスト

かつしか区民記者・養成講座②=インタビューの実践ポイント

 かつしか区民大学の区民記者養成講座で、「書く」、「撮る」、「取材」の仕方を座学と実践で教えている。
 大手新聞は狭い地域の記事となると、内容が限られてくる。しかし、市民記者による、市民の媒体ならば、記事に厚みが出る。しっかり読んでもらえる。
 それだけに市民記者の取材力、インタビュー力は重要である。

 区民記者の養成講座では、課外活動として、インタビューの実践活動を行った。

 記者経験のない市民が、突如として手帳やカメラを持って、見も知らずの人に声をかけて呼び止める。あるいは著名な人に話を聞くのは「勇気」がいる。話しかけられなければ、なにも進まない。
 インタビュアの最大の資質は、「勇気」だといえる。これを前提にした上で、基礎的な知識を会得し、技術的なインタビューの実践を行った。

インタビューのポイント


① 最初に自己紹介をする。ノートとカメラはあえて見えるようにすると、信用度が高まる。

「私は葛飾区民大学(記者養成講座)の受講生です。きょうのイベントを取材しています。お話を少し訊かせていただけますか」


② 取材の冒頭から拒否された場合は、

 不快感を示さない。「ありがとうございます」と礼節をみせる。


③「どこで発表するんですか」という質問に対して、

  「区民大学の教材です。まだ勉強中ですから」と即答する。

 ・ メモを取りながら、話を聞く。

 ・ 常に聞き手だという態度を貫く。


③ 記者が知っている内容でも、初めて聞いた態度で接する。記者は自分の知識を話したり、関連内容や私事を語ったりしない。


④ 論争はゼッタイにしない。相手の話の腰を折らない。

⑤『質問』は相手が応えやすい、数字で応える質問から入る

 ・このイベントに来たのは何回目ですか

 ・どこで、このイベントを知りましたか

 ・いまご覧なった範囲内で、一番関心を持たれたものは何ですか。


⑥「はい、いいえ」の答えになる質問は、後が続かなくなる。


⑦ 取材する相手のプライベート情報は、極力後ろ倒しにする

 ・どちらからお越しになったのですか

 ・差支えなければ、お名前を聞かせていただけますか。

 ・ご年齢は、何歳でしょうか
 

⑧ 親しくなった時を見計らい、「写真を撮らせてください」とお願いしてみる。


⑨子どもはひざを折り、視線を合わせてから、質問に入る。子どもの場合は、単刀直入に聞く方が素直に答えてくれるケースが多い。


⑩ 答えてくれた内容から、「……、ここらを詳しくご説明していただけますか」と耕してみる。


 インタビューはまず「当たって砕けろ」、「断られても元々だ」、という精神で臨む。声掛けしてから、3分は緊張するが、その先はインタビュアから笑顔を作っていく。そうすれば、話は次々に展開していくものだ。

 インタビューは理屈でなく、実践的に学びとるものだ。

「事前の知識の準備が必要だな」

「想定できる質問は手帳に書いておこう」

「インタビュアが笑顔で問えば、相手も話しやすくなる」

 これらは場数を踏んで、体験を重ねれば、記者がまったく知らない事柄(難解な)質問は避けた方が賢明だと、コツの一つとしてわかってくる。

 

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