かつしか区民記者・養成講座②=インタビューの実践ポイント
かつしか区民大学の区民記者養成講座で、「書く」、「撮る」、「取材」の仕方を座学と実践で教えている。
大手新聞は狭い地域の記事となると、内容が限られてくる。しかし、市民記者による、市民の媒体ならば、記事に厚みが出る。しっかり読んでもらえる。
それだけに市民記者の取材力、インタビュー力は重要である。
区民記者の養成講座では、課外活動として、インタビューの実践活動を行った。
記者経験のない市民が、突如として手帳やカメラを持って、見も知らずの人に声をかけて呼び止める。あるいは著名な人に話を聞くのは「勇気」がいる。話しかけられなければ、なにも進まない。
インタビュアの最大の資質は、「勇気」だといえる。これを前提にした上で、基礎的な知識を会得し、技術的なインタビューの実践を行った。
【インタビューのポイント】
① 最初に自己紹介をする。ノートとカメラはあえて見えるようにすると、信用度が高まる。
「私は葛飾区民大学(記者養成講座)の受講生です。きょうのイベントを取材しています。お話を少し訊かせていただけますか」
不快感を示さない。「ありがとうございます」と礼節をみせる。
③「どこで発表するんですか」という質問に対して、
「区民大学の教材です。まだ勉強中ですから」と即答する。
・ メモを取りながら、話を聞く。
・ 常に聞き手だという態度を貫く。
③ 記者が知っている内容でも、初めて聞いた態度で接する。記者は自分の知識を話したり、関連内容や私事を語ったりしない。
④ 論争はゼッタイにしない。相手の話の腰を折らない。
⑤『質問』は相手が応えやすい、数字で応える質問から入る
・このイベントに来たのは何回目ですか
・どこで、このイベントを知りましたか
・いまご覧なった範囲内で、一番関心を持たれたものは何ですか。
⑥「はい、いいえ」の答えになる質問は、後が続かなくなる。
⑦ 取材する相手のプライベート情報は、極力後ろ倒しにする
・どちらからお越しになったのですか
・差支えなければ、お名前を聞かせていただけますか。
・ご年齢は、何歳でしょうか
⑧ 親しくなった時を見計らい、「写真を撮らせてください」とお願いしてみる。
⑨子どもはひざを折り、視線を合わせてから、質問に入る。子どもの場合は、単刀直入に聞く方が素直に答えてくれるケースが多い。
⑩ 答えてくれた内容から、「……、ここらを詳しくご説明していただけますか」と耕してみる。
インタビューはまず「当たって砕けろ」、「断られても元々だ」、という精神で臨む。声掛けしてから、3分は緊張するが、その先はインタビュアから笑顔を作っていく。そうすれば、話は次々に展開していくものだ。
インタビューは理屈でなく、実践的に学びとるものだ。
「事前の知識の準備が必要だな」
「想定できる質問は手帳に書いておこう」
「インタビュアが笑顔で問えば、相手も話しやすくなる」
これらは場数を踏んで、体験を重ねれば、記者がまったく知らない事柄(難解な)質問は避けた方が賢明だと、コツの一つとしてわかってくる。