かつしか区民大学「私が伝える葛飾」。堀切菖蒲園で、取材方法を学ぶ
東京・葛飾区に、「かつしか区民大学」が正式発足して2年目になった。主催は葛飾区教育委員会。講座の一つ「私が伝える葛飾」は、昨年と同様に、講師は穂高健一で、区民記者の養成を目的とする。11年度の受講生は19人である。
同講座は5月20日からスタートし、11月25日まで延べ8回の講座を通して、報道写真の撮り方、記事(あるいはエッセイ)の書き方を学ぶ。座学(2時間)は6回、課外活動(一日コース)は2回。受講生は毎回、課題作品の提出が義務づけられている。
全員が共通認識を持つために、講師が添削した作品は一作ずつ映像器具などを使い、指導していく。
葛飾は花ショウブで有名である。6月に入ると、花は盛り。同月19日(日)は同区・堀切菖蒲園で、課外活動を実施した。
当日は全員が10時に堀切地区センターに集合した。教育委員会・生涯学習課からは2人の担当者、「かつしかPPクラブ」からは浦沢誠会長を含めた4人の参加協力が得られた。午前中は写真の撮り方、午後は取材の仕方にウエイトを置いた。
「美しくても、花ショウブだけは撮らないでください。図鑑を作るのではないんですから。報道写真である以上は、花に感動する人たちの表情を切り取ってください」
人物の撮影に徹してもらった。
これまで親族、知人、友人の撮影が中心で、赤の他人を撮影する機会はまずなかったという。受講生たちはそれだけに緊張ぎみだった。
午後からは園内で、ランダムに花の鑑賞者たちに声をかける取材である。インタビューはまず花ショウブの感想や同園の印象など。その先は自由である。
受講生はかつて見ず知らずの人に声をかけて、話を聞く、という経験など皆無に近い。先輩格の「かつしかPPクラブ」のメンバーがOJTで、インタビューの指導をサポートしてくれた。
次なるは荒川放水路の河川敷である。最近、住民の有志(未確認?)による、花ショウブ畑ができた。背後には東京スカイツリーがそびえ立つ、新景勝地である。近い将来は葛飾の名所になるだろう。
受講生はそれをいかに葛飾発で伝えられるか。それぞれ真剣なまなざしだった。
午後3時過ぎには、亀有信用金庫の広場で開催されている、「堀切かつしか菖蒲まつり」のイベント会場に出むいた。地元の歌手が熱唱していた。
同運営協議会の一杉昌宏広報部長(写真・ボーイスカート姿の男性)にインタビューを行った。
午後4時には堀切地区センターに戻り、それぞれが自己紹介や受講した目的などを語った。7月15日の講座には、受講生たち作品講評を行う。課外活動において、どんな作品が提出されるか、いまから楽しみである。