国際ペンの事務総長に、日本が立候補。歴史的な快挙になるか
8月23日、日本記者クラブ主催で、国際ペン・東京大会の記者会見が開催された。日本ペンクラブからは阿刀田高会長、浅田次郎専務理事、吉岡忍、堀武昭、各常務理事が参加した。
国際ペン(本部・ロンドン)代表者会議は、年一回、持ち回りで開催されている。ノーベル文学賞作家など著名な作家が数多く参加する。
オリンピック、万博、国際ペンの3つを開催して、はじめて国際都市だといわれたりする。それだけに世界的に注目される国際会議である。
同大会が日本で開催されるのは、1956年(川端康成会長)、1984年(井上靖会長)、そして今回で、各25年ぶり。現在までの参加予定は81ペンセンターで、さらに申し込みが増える見込みで、過去最大の大会になる。
今回は常連の欧米をはじめとして、紛争国だったアフガン、イラン、イラク、カンボジアなど注目すべきペンセンターも参加する。
代表者会議は国連総会のようなもので、会議そのものはメディアを含めて、一般はオフリミット。
他方で、日本ペンが「環境と文学」フォーラを開催する。8月23日~26日、早稲田大学・大隈講堂。(無料・事前申し込み制)
基調講演には故井上ひさしさんの群読劇「水の手紙」、マーガレット・アウトッド、高行健(ノーベル賞作家)などが予定されている。
朗読者には、松平定知、山根基世、松たか子、神田松鯉、吉行和子、片岡一郎など著名な各氏である。
大隈講堂は1100人収容。朝倉せつさん(父親・文夫氏が大隈重信の銅像を作った)演出で、ステージを拡大し、ライト、音響、報道カメラなどのスペースを取るために、各イベントは千人弱となる。
現在は申し込みが殺到している。
同記者会見で、阿刀田高会長から、「今回の国際ペンの代表者会議で、堀さん(国際ペン理事)が事務総長に立候補します」と明かした。
国際ペンの歴史の中で、ヨーロッパ・3か国以外からは事務総長(会長に次ぐNO2)は出ていない。(アメリカも含めて)。もし勝利すれば、国際的な快挙となる。
文学は政治経済、文化、思想を背景にして描かれる。同会議は文学者の集まりだが、過去に何度も、国際的な政治紛糾が持ち込まれた。今年もハプニングが出ないともかぎらない。それを取り仕切る事務総長の役目は重大だ。
記者会見が終了後、大勢の記者が立候補者・堀武昭さんを取り囲んだ。もし、堀さんが勝利すれば、日本発の世界的なニュースとなるだろう。予想としては9月27日頃に決選投票となる。
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