マスク族はメディア中毒症か。豚インフルエンザって、そんなに怖いの?
マスク族が東京にも現れはじめた。街なかの歩道、電車、お店でも、顔に目立つ大きなマスクがチラホラ目につく。初夏の暑い陽射しの下、かなり息苦しくて辛いだろう、と思ってしまう。
マスク族は何をそんなに怖れているのか。むろん、豚インフルエンザだ。日本の人口は1億人強だ。5月25日現在で、感染者が348人である。人口比は何%なのかしら?
1%未満の数字がどこまで並ぶのか、暗算では見当がつかない。とりあえず電卓ではじいてみた。「0.000348」、という数字が出てきた。
この数字は何を意味するのか。上手な説明はできないが、感染者を探し出せといわれても、不可能な数字だ。
東京の人口は1千万強だ。豚インフルエンザの感染者は3人だ。バカらしくて、電卓で計算する気にもならない。
全国で、死者はゼロだ。多くの人は過去の冬場に何度かインフルエンザを経験している。今回かりにインフルエンザにかかっても、3、4日伏せれば、自然治癒するようだ。この間は職場や学校を休めばすむことだ。死者0%を信じれば、恐れるに足りない。
先日、神戸に行った女性の話を聞く機会があった。同市は白いマスクだらけで、奇異な風景だったという。マスクをしていない東京人の方がおかしいのかな、と錯覚したと語った。
京都・清水寺に行ってきた出版社の男性の話が、25日に聞けた。参道はガラガラ。思うままにゆっくり見学できてよかった。いまがチャンスだという。
現地の観光客相手の商売人や、タクシー運転手に聞けば、近年に経験ない出来事だと話していたという。
5月25日には、岡田晴恵著「新型インフルエンザ完全予防ハンドブック」(幻冬舎、381円)が出版された。
「世界中が新型インフルエンザの脅威にさらされている。自分や家族を守るのはあんた自身だ」とキャッチフレーズになっている。
著者は国内感染者が何人のときに執筆したのか。わずか国内数人の感染者の状況下で、世界が脅威にさらされている、という執筆姿勢は疑問を感じる。単なる煽りとしか思えない。書評を書く気にすらならなかった。
TVのみならず、書籍まで出てきては、マスク族はメディアに踊らされすぎている。もっと、冷静になって、多少は批判的な目で、報道をみる習慣を身につけてほしい。それでなければ、いつまで経っても、TV中毒症状は回復できないだろう。