プロの芸人たちが、無報酬で? アマ芸人と共演
更新日:2006年7月 6日
東京・文京シビックホール(小ホール)で、3日の13時半から、シニア大樂の『演多亭(えんたてい)』が開かれた。会場には306人の観客が埋め尽くした。多種多彩な芸が一堂で見られた。ことしは3回目だった。
芸人たち一人ひとりがいまに至る人生。それをテーマにすえて、PJニュースの記事として書いた。かれらの人生は奥行きが深かった。こちらが欲張りすぎ、ボリュームが多すぎた。当然ながら、記事に載せきれない話題が多かった。
アマ芸人(玄人肌)とプロ芸人との混在だった。『演多亭』のチラシをみると、半数以上が金の取れるプロだ。落語家の真打も出場している。東京演芸協会理事も「大正演歌のバイオリン弾き」で出場。大道芸で世界を回る『がまの油』は、会場を爆笑させていた。
プロの芸人が出演料なしで、舞台に立っているのだ。『のこぎり演奏』『ダンシング・チーム』『南京玉すだれ』『音体操』など多彩だ。別段、チャリティーでもない。
昨年までは、出演者が会場費を負担していたという。「あまりにも観客の反応がよかったし、『愛、地球博でも』大喝采を受けたから、思い切って入場料1000円にしてみました」と、シニア大樂の幹事が、方向転換の理由を説明してくれた。
当日の入場者がなんと66名もいた。交通費、入場料を払ってまでも観にきてくれたのだ。「これで1000円とは安い」という声が数多く聞かれた。落語、大道芸人の技が観客を大笑いさせ、演奏が会場をうっとりさせ、時には観客も手拍子。大盛況だった。
ことしは入場料をもらったからといい、楽屋で『大入り袋』(千円札一枚)が配られた。皆が歓喜の声を上げていた。ふだんのプロたちの出演料を想像するほどに、それは不思議な光景だった。
『人間の喜びとは?』それは金でないと思った。