東京下町の情緒100景は、いまや88景に
更新日:2007年10月20日
東京の下町は素朴だ。大都会の田舎だといってもいい。地方の方がみれば、東京にもこんな泥臭いところがいまだにあるの、と不思議に思うだろう。
いまや地方のほうが新築住宅が多く、農家などは豪華なつくりだ。
東京下町は、終戦直後とはいわないが、昭和40年代の建物が現役で頑張っている。他方で、雑然とした町で、美観は薄い。そのなかにも光を当てたいとシャッターを切ってきた。
東京下町で、最も素朴な葛飾区を中心に写真撮りをしてきた。それにエッセイ風の文章を添えた。視点が同一だと、読み手には単調になるので、いろいろな目を通して描いた。子ども、保育士、商店主、お客、母親、父親、老人など。他方で、読みやすさを心した。
(掲載写真は葛飾区。京成電車・四つ木駅舎、駅前、頭上は高速道路の橋裏。およそスマートさなどない、雑然とした町だ)
穂高健一ワールドのなかでは、このコーナーが好きだといってくれるファンができた。少数でも、反応があれば、物書きはうれしいものだ。だから、88という末広がりの数字まで継続できた。
蒲池潤さんが『穂高健一の世界』で、このコーナーをリライトしてくれている。それにも応えようと続けてきた。
もう1人、ITコンサルタントの肥田野(ひだの)正輝さんにも、技術的な面で助けられた。
少数だが、このコーナーのファンと、蒲池さんと、肥田野さんとには感謝しながら、頂上が見えてきた100景まで登りつめたい。
次回はなにをシリーズ化しようかな、と考える昨今である。少なくとも、写真と文章とで100シリーズとしたい。