東京下町の情緒100景(081 アーケード街)
更新日:2007年9月15日
歴史ある商店街だ。けさも天井の明り取りから、朝陽が射す。10時には両側にならぶどの店も開店だ。ふだん着姿の買い物客がやってくる。いつもの同じ光景である。
歳月をさかのぼれば、昭和50年代まで、下町随一の商店街だとまでいわれた。遠くから電車に乗って買物客がやって来た。日曜日の夕方ともなると、買い物客が多く、満足に歩けなかったくらいだ。
いつしか大型スーパーの影響から、遠方からの客が少なくなった。商圏が縮んでしまったのだ。それでも、徒歩や自転車の客はここを贔屓にしてくれる。だから、老舗もがんばっている。時代の流れだとは、決してあきらめていない。
共存共栄を誓い合った仲間の店舗が、先月も跡継ぎ問題を抱え、他に売り渡した。店内の内装工事が入っている。店の看板がきょう変った。
ただ、アーケード街はシャッター店舗が一軒もないのが救いだ。創意工夫で、つねに活性化しているのだ。
歩道のインターロックは折に付けて張り替えている。天井の演出は四季折々の造花が飾られる。いまの季節ならば、真っ赤な紅葉だ。
イベントは派手なものをおこなう。9月にはサンパのカーニバルを実施し、パレードなども実施している。それらはこれからの歴史作りなのだ。