東京下町の情緒100景(042 新装開店)
更新日:2007年2月26日
街に新しい店ができた。真っ赤に塗られた派手な建物だ。遠くからでも目立つ、中華料理屋さんだ。
玄関の両側には大きな花束が四つ、五つとならぶ。お祭り気分だ。
店内も朱に塗られた彩で、異国ムードたっぷり。初日から大繁盛で、合い席だ。下町ならで、「どうぞ。どうぞ」と客どうしが空席をなくす。
チャイナ服の女性が、「お昼ランチあるね。なんにするね?」と微笑みで、注文をとる。
差し出された、ジャスミン茶の香りがいい。
メニューは豊富だ。麻婆豆腐の定食を食べてみようかな。ご飯のお変わり自由は魅力だから。
味はピリ辛いで、とても美味しい。食はすすみ、ライスをお変わりした。「ご飯もうないね。水餃子でいいね」と6個もくれた。ずいぶん得した気分だ。
2時になれば、客席が空いてきた。チャイナのウエイトレスにも余裕が出てきた。
「珈琲、飲むね」とマグカップで、インスタントコーヒーを出してくれた。家族の一員みたいに、砂糖入り、スプーンもカップの中に入れ、かき回してくれている。
下町に似合った、中華店ができものだ。
また、来ようかな。「また来てね」と先に言われてしまった。