A065-東京下町の情緒100景

東京下町の情緒100景(町工場 021)

 路地は曲がりくねっている。奥まったところが、町工場地帯だ。

 二階建ての一階が工場だ。奥から旋盤の音がひびく。職人が油汚れの姿で金属片を削っている。ダライ粉が、面白いようにニョロニョロわき出てくる。

 機械は休まず、職人の手も生活のために休まず。旋盤の音は止まらない。
 
 どんな製品ができるのだろうか。それだけでは製品にならず、正確にはなにかしら組み立て部品だろう。出来上がりはきっと極小の部品。職人の腕が競えるミリ単位のものだろう。


 表通りの鉄箱には廃材が盛りだくさんで詰まれている。ぷーんと鉄の匂いがする。油の臭いとも違う。やはり、鉄の臭いだ。これが下町の匂いだ。

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