東京下町の情緒100景(町工場 021)
更新日:2006年11月14日
二階建ての一階が工場だ。奥から旋盤の音がひびく。職人が油汚れの姿で金属片を削っている。ダライ粉が、面白いようにニョロニョロわき出てくる。
機械は休まず、職人の手も生活のために休まず。旋盤の音は止まらない。
どんな製品ができるのだろうか。それだけでは製品にならず、正確にはなにかしら組み立て部品だろう。出来上がりはきっと極小の部品。職人の腕が競えるミリ単位のものだろう。
表通りの鉄箱には廃材が盛りだくさんで詰まれている。ぷーんと鉄の匂いがする。油の臭いとも違う。やはり、鉄の臭いだ。これが下町の匂いだ。