雪化粧した富士山くっきりの矢倉岳(870m)=関本誠一
日時 : 2021年11月25日(木) 晴れ
参加メンバー : L佐治ひろみ、武部実、佐藤京子、開田守、関本誠一(計5人)
コース : 新松田駅(バス)⇒矢倉沢BS~矢倉岳(昼食)~(足柄万葉公園)~地蔵堂BS⇒新松田駅
登山記録
これから登る矢倉岳は、おむすびの形をした山で、その特徴的な形状から、標高が高くないにもかかわらず、街なかからも目立ち、地元の人たちからは「たけのこし」と称して親しまれている。
ここ南足柄市周辺はフィリピン海プレートと北米プレートの境目になっており、世界でもまれな場所である。
国府津-松田断層があり、山頂付近はマグマが噴火せず、地下深くでゆっくりと冷え固まってできた「深成岩(石英閃绿岩)」 と呼ばれる岩石が、現在の高さ(870m)まで隆起してできたもの。しかも、数キロしか離れていない箱根山が、今も活発な火山活動しているのとは対照的である。
この場所がダイナミックに変動したかを物語ってくれる。ブラタモリもびっくり!ジオサイトだ。
新松田駅に8:40集合した。8:45発のバスで、南麓登山口のある矢倉沢BSに9:20到着する。
バス停からジオパークを過ぎ、民家(?)の壁に大きく書かれた標識に従って進む。舗装路から急な登りが始まり、さらに鹿(イノシシ)柵をくぐると、本格的な登山道に入る。
緩急の坂を繰り返しながら、日当たりのよい登山道を登ってゆく。紅葉が一部残っており、これを目の当たりにすると、息苦しさも忘れるくらい和ましてくれる。
山頂直下の最後の急登を登りつめると、矢倉岳山頂に到着(11:25)した。
山頂には数パーティーが休憩中だったが、我々が登ったコースで他の登山者とすれ違うことはなかった。
山頂からの展望はいうことなし。かつては木製の展望台(櫓)があったらしいが、この山には不要である。
箱根・神山と外輪山の金時山、明神が岳、7~8合目まで雪化粧した富士山、愛鷹山群にかけての眺望撮影に30分も夢中、落ち着いたところでようやくランチタイムとなる。
山頂滞在1時間後に出発(12:30)する。足柄峠方面に向かう。途中、万葉集が書かれた立て札のある足柄万葉公園を通過する。
下山は足柄古道を下る。
この道は1200年前の奈良・平安時代の東西交易路の一部で御殿場からこの地(足柄峠)をえて、坂本(関本)を通り小絵(国府津)から箕輪(伊勢原)、武蔵へと続いていた。だが、富士山の噴火で一時通行止めになってから東海道が主流となり人々の往来も少なくなり、わずかに残る石畳がかつての風情を醸し出していた。
車道を横切るように道が続いており、ところどころ矢倉岳を正面に見ながら下ってゆく。地蔵堂BSには約1時間で到着する(15:00)。
バス便までの40分ほどバス停脇の茶屋でミニ反省会。その後は有志で新松田駅近くでの反省会で締める。新型コロナが落ち着いているなかのハイキング日和と、筆者とって2年ぶりの会山行、同行した山仲間に感謝だ。
ハイキングサークル「すにいかあ倶楽部」会報266から転載